鉄工所・金属加工業の補助金2026|溶接・板金・機械加工の会社が使える8制度と補助2,065万円の試算

| カテゴリ: 業種別活用事例 | 著者:採択ナビ代表(行政書士 / 認定経営革新等支援機関)

鋼材が上がる、電気代が上がる、なのに単価は据え置き。溶接工は募集しても来ず、ベテランは60代——鉄工所・金属加工業の現場から、いま最も多く聞こえてくる声です。一方で国は省力化・自動化・脱炭素・技能承継に予算をつけています。金属加工業は「補助金が最も当たりやすい業種」のひとつ。この記事では、鋼構造物製作・板金・溶接・機械加工・表面処理の中小企業が現実的に使える8つの制度を、従業員18人の会社が1年で補助2,065万円を組み立てるモデルまで含めて整理します。

🙋
鉄工所の社長さん
先生、うち、従業員18人の鉄工所なんですが、補助金って正直よく分からなくて。「うちみたいな下請けの町工場が使えるものなのか」と思ってしまって、これまで一度も出したことがないんです。
👨‍🏫
ナビ先生(行政書士)
それ、いちばんもったいない誤解です。金属加工業は補助金の設計そのものが「向いている」業種なんですよ。設備投資の金額が大きく、生産性の向上を数字で示しやすい。審査で求められることと、現場でやりたいことが、そのまま一致するんです。
🙋
社長さん
数字で示す、というのは?
👨‍🏫
ナビ先生
たとえばレーザー加工機を入れるとしますね。「速いから欲しい」ではなく「切断時間が1枚あたり◯分短縮し、外注に出していた月◯件を内製化でき、外注費が年◯万円減る」と書けるかどうか。鉄工所は時間と枚数と単価で語れるから、この説明が作りやすいんです。

🏭いま金属加工業がおかれている経営環境

まず、なぜ国が金属加工業を支援するのかを整理します。自社だけの問題ではなく業界共通の構造的課題だからこそ、公的支援のテーマになっている——この理解が、そのまま申請書の書き出しになります。

 いま起きていること補助金との関係
① 溶接工・機械工の不足有資格の溶接工が採用できない。技能者の高齢化が進む省力化・自動化投資、育成の助成金が正面から狙える
② 鋼材・エネルギーコスト高鋼材、ガス、電力の値上がりを単価に転嫁しきれない価格転嫁できない分を、生産性向上で吸収する計画にする
③ 下請構造からの脱却元請1社への依存度が高く、価格決定権がない直請け・自社製品化は「新市場への進出」として書ける
④ 技能の属人化図面の読み方も段取りもベテランの頭の中にあるCAD/CAM・生産管理システムの導入が正当化しやすい
⑤ 事業承継の壁社長が60代以上、後継者が決まっていない承継・M&A関連の制度が用意されている
ここが追い風金属加工業は「人手不足対策」「省力化・自動化」「サプライチェーン強化」という、国が最も予算をつけているテーマの真ん中にいます。自社の投資をこの3つのどれかに結びつけて説明できれば、申請はぐっと通しやすくなります。
逆に注意「鋼材が上がって苦しいから補填してほしい」という発想では、補助金は取れません。補助金は赤字の穴埋めではなく、前に進む投資への後押し。ここを取り違えると、どの制度に出しても評価されません。

📋鉄工所・金属加工業と相性のいい支援制度8選

🙋
社長さん
制度が多すぎて、どれを見ればいいのか分かりません。
👨‍🏫
ナビ先生
全部を追う必要はありません。この8つだけ押さえれば十分です。しかも順番があって、初めての会社は「小さく1本取る」ところから始めるのが鉄則ですよ。
🏁
まず1本目
持続化補助金・業務改善助成金など、小さく取りやすいもので型を覚える
STEP 1
🚀
本命の設備投資
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金/省力化投資で機械を入れる
STEP 2
🏛
体制づくり
デジタル化・雇用系助成金・事業承継で会社の基盤を固める
STEP 3
制度名ねらい(金属加工業の場合)規模感の目安
① 小規模事業者持続化補助金加工事例つきサイト刷新、技術カタログ、展示会、小型機器小(数十万〜250万円規模)
② 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金レーザー加工機、マシニングセンタ、溶接ロボットなど本命設備大(数百万〜数千万円)
③ デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)CAD/CAM、生産管理、原価管理、見積システム小〜中
④ 中小企業省力化投資補助金搬送・段取りの自動化、協働ロボット、測定の自動化中〜大
⑤ 事業承継・M&A補助金(旧・事業承継・引継ぎ補助金)後継者による新分野挑戦、同業の譲受け、専門家費用中
⑥ 業務改善助成金事業場内最低賃金の引上げ+設備投資をセットで小〜中(最大600万円)
⑦ キャリアアップ助成金有期契約の技能者の正社員化、処遇改善小〜中
⑧ 自治体独自の補助金資格取得・技能講習費、展示会出展、若手採用、設備更新小(数万〜数百万円)
「補助金」と「助成金」は性格が違う①〜⑤・⑧は補助金=審査があり、選ばれた事業者だけが受けられるもの。⑥⑦は助成金=定められた要件を満たすことが受給の前提もの。社内の準備の仕方が変わるので、混同しないでください。

🎁①小規模事業者持続化補助金 — 最初の1本に

🙋
社長さん
「小規模」って、うち18人ですけど入るんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
入る可能性が高いです。製造業の場合、常時使用する従業員が20人以下であれば小規模事業者に該当するとされるのが一般的で、18人ならその範囲です。金属加工業は、この「20人以下」の恩恵を受けやすい業種なんですよ。商業・サービス業だと5人以下ですから、まったく違います。

持続化補助金は販路開拓の取組を支援する制度です。金属加工業での典型的な使い道を挙げます。

使い道金額の目安効果として書けること
加工事例つきWebサイトの新設・刷新80万円〜150万円「精密板金 試作」等での検索流入から直請けの引合いを獲得
技術カタログ・加工可能範囲表の制作25万円〜60万円材質・板厚・公差を一覧化し、見積の往復回数を削減
展示会出展(小間・装飾・サンプル)60万円〜120万円新規業界(医療・半導体・食品機械等)への接点づくり
3Dスキャナ・小型測定器40万円〜90万円現物からの図面起こしに対応し、リバース案件を受注
工場見学用の動画・VR素材30万円〜70万円遠方の発注元に設備と品質管理体制を提示
最初の1本に向く理由金額が小さいぶん事業計画書の分量も現実的で、採択から実績報告までを一巡できます。この一巡を経験しているかどうかで、次の大型申請の負担がまるで変わります。補助上限額・補助率・締切は公募回により変わるため、小規模事業者持続化補助金2026と最新の公募要領で確認してください。

🚀②新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 — 本命

2026年度、設備投資支援の中心となっているのが新事業進出・ものづくり商業サービス補助金です。第1回公募は申請受付が令和8年9月30日(水)、応募締切が令和8年10月30日(金)18:00厳守とされています(2026年8月時点)。金属加工業にとっては、この制度が最大の勝負どころです。

枠補助率補助上限額(基本/賃上げ特例適用時)金属加工業での使い方
革新的新製品・サービス枠中小企業者 1/2(一定条件で2/3)/小規模企業・小規模事業者、再生事業者 2/3最大2,500万円/最大3,500万円自社製品・新工法の開発。単なる設備更新は対象外
新事業進出枠中小企業者 1/2(一定条件で2/3)最大7,000万円/最大9,000万円医療機器・半導体・食品機械など新しい客層への進出。建物費も対象
グローバル枠中小企業者 2/3最大7,000万円/最大9,000万円輸出に向けた国内の生産体制強化。3枠で補助率が最も高い
枠選びを間違えると土俵違いで落ちる革新枠は「新製品・新サービスの開発」が必須で、既存の生産プロセスの改善だけでは対象外とされています。「レーザー加工機を入れて生産性を上げる」だけなら、この枠ではなく省力化投資の制度を検討すべきです。逆に「新しい客層向けの製品を開発する」なら革新枠、「まったく違う業界に打って出る」なら新事業進出枠。やることで枠が決まると覚えてください。
従業員18人の場合の上限革新枠は従業員6〜20人の区分で基本1,000万円、賃上げ特例適用時1,250万円。新事業進出枠は1〜20人の区分で基本2,500万円、賃上げ特例適用時3,000万円(補助下限額750万円)とされています。下限750万円は、補助率1/2なら投資1,500万円以上が必要ということ。詳しい従業員数別の早見表は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金2026にまとめています。

💻③デジタル化・AI導入補助金2026 — 現場と事務所をつなぐ

🙋
社長さん
うちはまだ手書きの日報と、エクセルの見積です。今さらシステムなんて。
👨‍🏫
ナビ先生
むしろそこが一番効きます。金属加工業は「1品ごとに原価が違う」商売ですから、原価が分からないまま見積を出していると、儲かる仕事と赤字の仕事が混ざったままになる。原価管理を入れた瞬間に、断るべき仕事が見えるようになるんです。
導入するもの金額の目安金属加工業での効果
CAD/CAMシステム120万円〜400万円プログラム作成時間の短縮、ネスティングによる材料歩留まり改善
生産管理・工程進捗システム150万円〜350万円「あの部品どこ?」の探索時間をなくす。納期回答が即答できる
原価管理システム100万円〜250万円図番別の実際原価が見える。赤字案件の特定
見積・積算支援60万円〜180万円ベテランの見積勘を数式化。属人化の解消
勤怠・工数管理40万円〜120万円工数実績が原価に直結。残業の偏りも可視化
電子受発注・電子契約30万円〜90万円FAX中心の受注業務を削減
枠と補助率は公募回で変わりますデジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)は、導入するツールの種類やプロセス数によって枠が分かれる設計になっています。補助率・上限額・対象ツールは公募回により異なるため、必ず最新の公募要領と登録ツールの一覧をご確認ください。制度の全体像はデジタル化・AI導入補助金2026|枠別の選び方で解説しています。

🤖④中小企業省力化投資補助金 — 人手不足そのものが理由になる

省力化投資補助金は、人手不足の解消につながる省人化・自動化の投資を支援する制度です。カタログに登録された製品から選ぶカタログ型と、個別の設備を計画する一般型があります。

カタログ型の補助上限額従業員数の区分に応じて200万円・500万円・1,000万円という上限が設定されています(2026年8月時点)。自社がどの区分に当たるか、補助率がいくらかは公募要領でご確認ください。カタログ型は登録製品から選ぶ方式のため、申請の手間が比較的軽いのが特徴です。
省力化の切り口導入例金額の目安削減できる工数の例
溶接の自動化協働ロボット+溶接電源900万円〜1,600万円量産溶接の1人工を機械に置換
搬送・段取りの自動化自動材料棚、パレットチェンジャ480万円〜1,200万円材料出し入れと段取り替えの時間を半減
検査の自動化画像検査装置、三次元測定機380万円〜950万円全数検査を人手から機械へ。記録も自動保存
仕上げ・バリ取りバリ取りロボット、研磨機320万円〜780万円最も人が張り付く工程を機械化
運搬AGV・自動搬送台車280万円〜700万円工場内の移動時間を削減
「人が足りない」を数字にする省力化の申請で効くのは、「その工程に、いま何人が何時間かかっているか」です。作業日報から、対象工程の年間工数を先に集計してください。「バリ取りに年間1,850時間、時間単価2,800円で年518万円」——ここまで出せれば、投資回収の説明は自動的に書けます。

🤝⑤事業承継・M&A補助金 — 60代社長の会社こそ

🙋
社長さん
息子が戻ってくる話は出ているんですが、まだ承継の手続きは何も。
👨‍🏫
ナビ先生
その状態こそ、この制度の出番です。事業承継・M&A補助金(旧・事業承継・引継ぎ補助金)は、承継そのものだけでなく「承継を機に新しいことをやる」取組を支援する設計になっています。後継者が入ってくるタイミングは、設備も客層も入れ替える絶好の機会なんですよ。
場面使える方向性金属加工業での例
親族内承継後継者による新分野への挑戦下請中心から自社製品・直販へ転換する設備投資
従業員承継経営者交代に伴う体制整備工程の標準化、技能のマニュアル化への投資
同業のM&A(譲受け)設備・人材・顧客の取り込み近隣の廃業予定の工場を引き継ぎ、加工範囲を広げる
第三者への譲渡専門家費用等の支援仲介・デューデリジェンス費用
金属加工業でM&Aが効く理由この業界は「設備と技能と得意先」がセットで価値になるため、廃業する同業を引き継ぐと、加工範囲・対応板厚・材質の幅が一気に広がることがあります。求人で溶接工を1人採るより、工場ごと引き継ぐほうが早い——という判断が現実に成立する業種です。

💰⑥業務改善助成金・⑦キャリアアップ助成金 — 「人」への支援

ここまでの5つは「補助金」でしたが、⑥⑦は助成金。採択の競争ではなく、定められた要件と手続の順序を満たすことが受給の前提になる性格のものです。

制度内容金属加工業での組み立て方
⑥ 業務改善助成金事業場内最低賃金の引上げと生産性向上に資する設備投資等をセットで行った場合に助成。助成率は事業場内最低賃金1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4、上限額はコースと引上げ人数で決まり最大600万円(10人以上の区分は特例事業者のみ)とされています「バリ取り機を入れて、その分の時間で賃金を上げる」という筋書きが作りやすい
⑦ キャリアアップ助成金有期契約労働者の正社員化等を行った場合に助成。正社員化は1人あたり80万円とされる区分があります試用期間を経た若手技能者の正社員化。定着とセットで考える
助成金は「先に手続、後から行動」助成金の多くは事前に計画の届出をしてから実施する順序が求められます。「もう賃金を上げてしまった」「もう正社員にしてしまった」では対象外になり得ます。金額・要件・受付期間は年度や改正によって変わるため、必ず厚生労働省および都道府県労働局の最新情報をご確認ください。詳細は業務改善助成金2026、キャリアアップ助成金2026へ。

🏙⑧自治体独自の補助金 — 小さいが確実に効く

見落とされがちですが、金属加工業は自治体の産業支援と相性がいい業種です。ものづくり系の工業団地や産業集積地では、独自の支援メニューが用意されていることが少なくありません。

よくあるメニュー内容の傾向金額の目安
資格取得・技能講習費の補助溶接、玉掛け、クレーン、フォークリフト等の受講料1人あたり数万円〜十数万円
展示会出展助成小間料、装飾費、旅費の一部20万円〜50万円
設備導入・更新の補助製造設備の取得費の一部50万円〜300万円
若手採用・定着支援採用広告費、住宅手当の一部10万円〜100万円
省エネ・脱炭素設備の補助高効率コンプレッサ、LED、太陽光30万円〜数百万円
探し方「市区町村名+補助金+製造業」で検索するより、商工会議所・商工会に電話するほうが早いのが実情です。国の制度と自治体の制度は同じ経費に二重には使えませんが、経費を分ければ組み合わせられます。

🛠金属加工業ならではの「使い道」具体例

やりたいこと候補になる制度申請書で書くべき数字
ファイバーレーザー加工機を入れたい新事業進出・ものづくり/省力化投資板厚別の切断時間、外注していた月間枚数と外注単価
溶接を自動化したい省力化投資/新事業進出・ものづくり対象製品の年間本数、1本あたり溶接時間、溶接工の時間単価
検査を自動化したい省力化投資検査工数、不良流出件数、クレーム対応にかかった時間
医療・半導体分野に進出したい新事業進出枠既存顧客の業種構成比、参入先の市場規模、想定単価
輸出を始めたいグローバル枠(補助率2/3)現在の輸出比率、対象国の需要、目標輸出額
原価が分からない状態を直したいデジタル化・AI導入補助金2026図番数、見積作成時間、赤字案件の割合
直請けを増やしたい持続化補助金/自治体の展示会助成元請依存度、直請け単価と下請単価の差
若手を採って定着させたいキャリアアップ助成金/自治体の採用支援平均年齢、離職率、採用にかけている費用

🧮モデルケース:従業員18人の鉄工所が1年で使える組み合わせ

🙋
社長さん
8つあると言われても、結局うちはどれをいくら使えるのかが見えません。
👨‍🏫
ナビ先生
ではモデルを置きましょう。従業員18人・年商2億8,000万円・元請依存度7割の鉄工所(鋼構造物製作+機械加工)。同じ年度に複数の制度を、経費を分けて走らせる前提で組みます。
使う制度導入するもの投資額補助率補助される額ねらう効果
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
(革新的新製品・サービス枠)
高精度マシニングセンタ 1,180万円
三次元測定機 380万円
試作用材料・治具 120万円
1,680万円 2/3
(小規模企業者)
1,000万円
(上限で頭打ち)
食品機械向けの高精度部品を自社開発し、新しい客層へ
中小企業省力化投資補助金
(カタログ型・上限500万円の区分と仮定)
バリ取りロボット 620万円
自動材料棚 380万円
1,000万円 — 500万円 バリ取り工程の年間1,850時間を機械へ。年518万円分の工数を解放
小規模事業者持続化補助金
※従業員20人以下が条件
(賃金引上げ特例等を使う場合)
加工事例つきHP刷新 95万円
技術カタログ制作 35万円
展示会出展 20万円
150万円 2/3 100万円 元請依存7割から、直請けの試作案件を取りに行く
業務改善助成金
(90円コース・2人引上げを仮定)
高効率コンプレッサ 180万円
工程進捗表示システム 120万円
300万円 3/4
(事業場内最低賃金1,050円以上の場合)
225万円 事業場内最低賃金を引き上げ、電力コストも削減
キャリアアップ助成金
(正社員化)
有期契約の若手技能者3名を正社員化 賃金原資 定額 240万円
(1人80万円×3名)
若手の定着。技能承継の受け皿づくり
合計 — 3,130万円+賃金原資 — 2,065万円 設備・販促投資3,130万円に対する補助は1,825万円(約58%)で、自己負担は約1,305万円。これとは別に、雇用関係の助成が240万円
この表の位置づけ上記は本サイトが制度の要件と一般的な機器単価をもとに作成した試算モデルであり、特定の企業の採択実績ではありません。実際の補助額は申請枠・審査結果・従業員数の判定・公募回の要件によって変わります。また、同一の経費を複数の制度に重ねて申請することはできません。上記は経費を制度ごとに分けて設計した場合の例です。キャリアアップ助成金は賃金原資に対する助成であり、設備投資の自己負担を直接減らすものではありません。合計欄では設備分と雇用分を分けて示しています。省力化投資補助金の区分は説明のための仮定であり、実際の区分は公募要領でご確認ください。
組み立ての順番①まず持続化補助金で申請の型を覚える(要件が最もやさしい)→ ②業務改善助成金で賃上げと設備をセットにする → ③省力化投資補助金で現場の工数を空ける → ④新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で本命の設備を入れる。この順番なら、社内に申請のノウハウが溜まりながら金額が大きくなっていきます。
自己負担1,050万円は先に払う忘れてはいけないのは、補助金は原則として後払いだということ。3,130万円の投資はいったん全額を自社で立て替える必要があります。つなぎ資金の手当てを含めた資金計画が前提です。詳しくは補助金の入金は何ヶ月後2026へ。

⚠️申請でつまずくポイント7選

① 交付決定前に発注してしまう「納期が長いから先に押さえたい」——金属加工業の設備は納期6か月超もざらなので、この誘惑が最も強い業種です。しかし交付決定前の発注は、その経費が丸ごと対象外。メーカーには「補助金の交付決定後に正式発注する」と最初に伝えてください。
② 「生産性が上がります」で止まっている審査員は同業ではありません。「速くなる」ではなく「1枚あたり切断時間が12分→7分、月480枚で年480時間の削減」まで書いてください。時間×単価=金額に変換して初めて、投資回収の説明になります。
③ 枠の選択を間違える革新枠は新製品・新サービスの開発が必須で、既存プロセスの改善だけでは対象外とされています。設備更新なら省力化投資、新客層なら新事業進出枠。やることで枠が決まります。
④ 相見積が形だけ専用機や特注設備は「1社しか作れない」ことが実際にありますが、その場合も理由書で価格の妥当性を説明する必要があります。「他社では対応できない」ことを、仕様の面から書けるようにしておいてください。
⑤ 補助下限額を下回っている新事業進出枠・グローバル枠は補助下限額750万円。補助率1/2なら投資1,500万円以上が必要です。数百万円の設備なら、革新枠か省力化投資、持続化補助金を検討してください。
⑥ 賃上げ特例を安易に付ける上限額は上がりますが、付加価値額や給与総額の年平均成長率という目標を数年間背負い、未達なら返還義務が生じる場合があるとされています。投資額×補助率が基本の上限を超えていないなら、特例を付けても補助額はほとんど増えません。
⑦ 導入後の義務を知らない補助金で買った設備は処分制限期間中、承認なく売却・貸付け・担保提供ができません。金属製品製造業用設備の法定耐用年数は10年とされており、10年前後は自由に動かせない財産になるという前提で判断してください。詳しくは補助金で買った設備は勝手に売れないへ。

✍️採択される事業計画書の書き方(金属加工版)

👨‍🏫
ナビ先生
金属加工業の計画書は、「工程の話」に終始してしまうのが典型的な失敗です。審査員が知りたいのは工程ではなく「この投資で会社の何が変わるのか」。3つの型で書いてください。
書く順番内容金属加工業での具体例
① 現状の課題を数字でいま何にどれだけ時間と金がかかっているか「バリ取りに年1,850時間、外注切断に年620万円、元請依存度70%」
② 投資と、その効果何を入れて、どの数字がどう動くか「切断を内製化し外注費620万円を年180万円に。差額440万円」
③ 空いた時間を何に使うかここが最も抜けやすい「解放した1,850時間を試作案件に充て、直請け売上を年1,200万円積む」
③が勝負を分ける「省人化しました」で終わる計画書は弱い。浮いた人手と時間を、どの売上に変えるのかまで書けている計画は、審査員にとって読みやすく、点も付けやすい。省力化は手段であって目的ではない——この一点を外さないでください。審査の視点は補助金の事業計画書2026|審査員の採点表から逆算する7設計にまとめています。

❓よくある質問

従業員18人の鉄工所は「小規模事業者」に当たりますか?
製造業その他の業種では、常時使用する従業員の数が20人以下の事業者を小規模事業者とするのが一般的な整理です(商業・サービス業は5人以下)。18人であればこの範囲に入る可能性が高く、小規模事業者持続化補助金の対象になり得ます。従業員数の数え方(役員、パート、季節雇用の扱い)は制度ごとに定義があるため、必ず公募要領で確認してください。
中古の工作機械でも補助対象になりますか?
制度と公募回によって扱いが異なります。中古設備を認めない制度、一定の条件(複数の中古品流通事業者からの見積、性能や耐用年数の要件など)のもとで認める制度の両方があります。「中古だから一律にダメ」でも「中古でも自由に使える」でもないため、該当回の公募要領で対象経費の記載を確認してください。
工場の建て増しや基礎工事も対象になりますか?
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、建物費が対象経費に含まれるのは新事業進出枠とグローバル枠で、革新的新製品・サービス枠には含まれていません(2026年8月時点)。また、機械の設置に伴う基礎工事の扱いは制度により異なります。建屋が絡む計画は、枠の選択そのものが変わるため、早い段階で確認してください。
下請けが中心でも「新市場への進出」と言えますか?
言える場合があります。ポイントは顧客の属性が変わるかどうかです。「同じ自動車部品を、別の元請にも納める」は市場が変わっているとは言いにくい一方、「自動車向けから医療機器向けへ」「Tier2の下請から最終製品メーカーの直請へ」であれば、対象となる顧客層が異なると説明できます。既存顧客の業種構成比を出して、そこに含まれていないことを示すのが実務的な書き方です。
複数の補助金を同時に使えますか?
目的が違えば併用できる場合があります(例:設備投資は補助金、賃上げは助成金)。ただし同じ経費を二重に補助してもらうことはできません。同一の設備を複数制度で申請するのは、採択取消や返還のリスクにつながります。モデルケースのように、経費を制度ごとに切り分けて設計してください。
設備の納期が長く、事業期間内に間に合うか不安です。
金属加工設備は納期が長いため、実際に多い相談です。申請前にメーカーへ納期を文書で確認し、事業期間内に納品・検収・支払いまで完了できるかを逆算してください。万一、期間内に完了しない見込みになった場合は、判明した時点ですみやかに事務局へ報告して指示を受ける必要があります。黙って期間を超えるのが最も不利です。
一度不採択でした。もう無理でしょうか。
いいえ。多くの補助金は複数回の公募があり、再申請が可能です。金属加工業の場合、不採択の理由は「効果が金額に変換されていない」「省人化の先に何をするかが書かれていない」に集中する傾向があります。審査項目のどこが弱かったかを整理し、数字の裏づけを補強して次回に出すほうが、まったく別の制度を一から探すより効率的です。

※本記事の金額・要件は2026年8月時点の一般的な枠組みをもとにした目安です。公募回により要件・上限・補助率は変わります。必ず最新の公募要領をご確認ください。

本記事の情報について

本記事は公開時点で確認できる公募要領等の一次情報に基づいて作成しています。補助金・助成金の制度内容、補助上限額、補助率、公募期間は予告なく変更される場合があり、同一制度でも公募回次によって要件が異なります。制度の統合・名称変更が行われることもあります。

ご申請の前には、必ず各制度の公式サイトおよび最新の公募要領をご確認ください。

本記事は制度の情報提供を目的とするもので、個別の申請可否や採否を保証するものではありません。最終的なご判断は、各制度の公募要領および管轄の窓口・有資格者にご確認ください。

この補助金の公募開始と締切を、メールでお知らせします

補助金の公募期間は中央値で36日しかなく、公表に気づいた時点で締切まで1か月を切っていることも珍しくありません。公募開始日と締切が公表され次第、無料でお送りします。業種をご記入いただくと、その業種で対象になりやすい制度を優先してお送りします。

お知らせを受け取る(無料)

お送りするのは制度の情報のみです。メールアドレスはお知らせ配信以外の目的には使用しません。

タグ: #2026年最新 #業種別 #省力化 #補助金