【業種別】飲食店が使える補助金トップ10|小規模店舗から飲食チェーンまで【2026年版】

| カテゴリ: 業種別活用事例 | 著者:採択ナビ代表(行政書士 / 認定経営革新等支援機関)

人手が集まらない、食材原価は上がる一方、それでも客足は思うように戻らない——2026年の飲食店経営は「人手不足・原価高騰・集客難」の三重苦が続いています。一方で国や自治体は飲食業界向けに毎年100種類以上の補助金・助成金を用意しており、活用すれば年間数百万円〜1000万円規模の支援を受けることも可能です。本記事では2026年版の飲食店向け補助金トップ10を、業種別早見表・注意点・FAQとあわせて整理します。

🙋
飲食店の社長さん
原価も人件費も上がっていて、正直キツいんですよ。補助金って飲食店でも使えるんですか?
👨‍🏫
ナビ先生(行政書士)
はい、飲食店はむしろ補助金の使い道が多い業種のひとつです。設備投資・IT化・人材育成・業態転換など、10種類以上の制度を組み合わせて年間数百万円の支援を受けている店舗も珍しくありません。まず全体像から見ていきましょう。

🏆2026年版 飲食店向け補助金トップ10

2026年現在で飲食店オーナーが押さえておくべき補助金・助成金を10制度、優先度順に紹介します。「対象」「上限額」「補助率」「向いている店舗」「活用例」を整理しているので、自店に合うものを見極める参考にしてください。

1️⃣小規模事業者持続化補助金 — 集客・販路拡大の定番

🙋
飲食店の社長さん
補助金が初めてなんですが、どれから始めるのがいいですか?
👨‍🏫
ナビ先生
まず検討していただきたいのが「小規模事業者持続化補助金」です。ホームページ制作・チラシ・看板・テイクアウト容器の導入など、集客と販路拡大に関わる費用が幅広く対象になります。商工会議所のサポートを受けながら申請できるので、補助金デビューに最適です。
項目 内容
対象 常時使用する従業員5名以下の飲食店(サービス業基準)
上限額 通常枠50万円 / 賃金引上げ枠・創業枠など特別枠で最大200万円
補助率 2/3(賃金引上げ枠で赤字の場合は3/4)
向いている店舗 個人経営の居酒屋・カフェ・ラーメン店・定食屋・スナックなど
活用例 HP新設40万円+看板リニューアル30万円+テイクアウトパッケージ15万円=合計85万円のうち約57万円が補助対象

2️⃣デジタル化・AI導入補助金 — POS・予約管理AI・SNS自動化

🙋
飲食店の社長さん
IT導入補助金って、名前が変わったって聞いたんですが?
👨‍🏫
ナビ先生
そうです。2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更され、AI活用枠が新設・拡充されました。タブレット型POS、モバイルオーダー、無人受付AI、SNS投稿自動化、需要予測による発注最適化システムなど、飲食店での活用範囲が一気に広がっています。
項目 内容
対象 中小企業・小規模事業者(飲食店は資本金5000万円以下または従業員50名以下)
上限額 通常枠450万円 / インボイス枠350万円 / 複数社連携IT導入枠最大3000万円
補助率 2/3(中小企業デジタル化応援枠は3/4)
向いている店舗 予約客が多い店、人手不足が深刻な店、複数店舗を展開しているチェーン
活用例 クラウドPOS100万円+AI予約管理60万円+SNS自動投稿AI30万円=合計190万円のうち約127万円補助。月20時間の事務削減と来客数15%増の事例も

3️⃣ものづくり補助金 — 厨房機器・店舗改装で生産性向上

🙋
飲食店の社長さん
ものづくり補助金って、製造業のイメージがありますが飲食店も使えるんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
使えます。生産性向上の取り組みであれば飲食店も対象です。業務用スチームコンベクションオーブン、自動製麺機、無人レジ、セントラルキッチン化のための大型厨房機器などへの設備投資が該当します。飲食関連の補助金の中でも最大クラスの金額です。
項目 内容
対象 中小企業・小規模事業者で革新的な生産性向上の取り組みを行うもの
上限額 通常枠750万円〜1250万円 / グローバル展開型最大3000万円
補助率 1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3)
向いている店舗 厨房刷新を検討している店、セントラルキッチン化したい複数店舗オーナー、製造小売(パン・惣菜)を強化したい店
活用例 業務用スチコン200万円+自動製麺機400万円+真空包装機80万円=合計680万円のうち340万円補助。仕込み時間半減、人件費年間180万円削減につながった例も

4️⃣事業再構築補助金 — 業態転換・デリバリー専門化

🙋
飲食店の社長さん
ゴーストレストランへの転換を考えているんですが、何か大きな補助金はありますか?
👨‍🏫
ナビ先生
それなら「事業再構築補助金」が候補です。居酒屋からデリバリー専門店への転換、カフェへの間借り営業新設、物販事業の新設といった思い切った業態変更を後押しする制度です。補助額は最大クラスですが、計画書の難易度も最も高いです。
項目 内容
対象 事業再構築指針に沿った新分野展開・業態転換・事業転換などを行う中小企業
上限額 成長枠1500万円〜7000万円 / 産業構造転換枠最大1.5億円
補助率 1/2〜2/3(従業員規模・枠により変動)
向いている店舗 ディナーからランチ専門/デリバリー専門に切り替えたい店、ゴーストレストラン化したい店、物販を本格化したい店
活用例 居酒屋を弁当製造拠点へ業態転換 — 厨房改装1200万円+調理機器400万円+配達車両200万円+EC構築100万円=合計1900万円のうち1267万円補助

5️⃣キャリアアップ助成金 — アルバイトを正社員化したら最大1人56万円

🙋
飲食店の社長さん
長く働いてくれているアルバイトを正社員にしたいと思っているんですが、何かもらえますか?
👨‍🏫
ナビ先生
それは「キャリアアップ助成金」の正社員化コースが該当します。パート・アルバイトを就業規則に基づいて正社員転換すれば、1人あたり最大56万円が助成されます(中小企業の場合)。人手不足対策と人材定着を同時に狙える制度です。
項目 内容
対象 有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換した中小企業
上限額 1人あたり最大56万円(若者・女性の場合の加算含む)/ 1事業所あたり1年度20名まで
補助率 定額支給(条件適合型)
向いている店舗 アルバイト中心で運営している店、リーダー格のアルバイトを正社員化したいチェーン
活用例 3年勤続のホールスタッフ2名を正社員転換 → 56万円×2名=112万円。賃金引き上げ・教育訓練を組み合わせれば上乗せも可能

6️⃣人材開発支援助成金 — 調理師研修・接客研修で最大100万円

🙋
飲食店の社長さん
スタッフのスキルアップ研修の費用を補助してもらえる制度はありますか?
👨‍🏫
ナビ先生
あります。「人材開発支援助成金」です。計画的な社内外研修(OFF-JT)を実施した際に、研修経費と研修期間中の賃金の一部が助成されます。調理技術研修、ソムリエ・利酒師資格取得支援、外国人スタッフ向け日本語研修まで幅広く対象になります。
項目 内容
対象 雇用保険適用事業所の事業主で、計画的な人材育成を実施するもの
上限額 1人あたり最大100万円(コース・研修内容により変動)
補助率 経費助成45〜75% / 賃金助成 1人1時間あたり760〜960円
向いている店舗 調理人を育成中の店、店長候補を計画的に育てたい中規模店、外国人雇用が増えているチェーン
活用例 料理長候補3名にフレンチ専門学校の短期集中研修(1人60万円)を実施 → 経費助成率60%として108万円が助成

7️⃣業務改善助成金 — 最低賃金引き上げに伴う設備投資が上限600万円

🙋
飲食店の社長さん
最低賃金の引き上げで経営が苦しいのですが、設備投資と賃上げをセットで支援してもらえる制度はありますか?
👨‍🏫
ナビ先生
まさにそのための制度が「業務改善助成金」です。事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、あわせて業務効率化のための設備投資を行った中小企業に支給されます。セルフオーダー端末、食器洗浄機、真空調理器、在庫管理システムなどが対象です。
項目 内容
対象 事業場内最低賃金が地域最低賃金+50円以内の中小企業・小規模事業者
上限額 上限600万円(賃上げ幅と対象労働者数による)
補助率 3/4〜9/10(事業規模・賃上げ幅で変動)
向いている店舗 パート・アルバイトの賃上げを予定している店、設備投資と賃上げをセットで進めたい店
活用例 時給を60円引き上げ+セルフオーダー端末50万円・食洗機30万円・自動釣銭機40万円を導入 — 合計120万円の9割相当が助成

8️⃣自治体独自の販路拡大補助金 — 東京都・大阪府・福岡県の事例

🙋
飲食店の社長さん
国の補助金以外に、都道府県や市区町村の補助金もあると聞きましたが?
👨‍🏫
ナビ先生
あります。意外と知られていないのが、各都道府県・市区町村の独自補助金です。東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」(最大1億円)、大阪府の「商店街活性化応援補助金」、福岡県の「地域資源活用型新ビジネス創出支援」など、地域の特色を反映した制度が多数あります。地元の商工会議所・産業振興公社のホームページを月1回チェックする習慣をつけると有効です。
項目 内容
対象 各自治体内に事業所を有する事業者(飲食店も対象になることが多い)
上限額 50万円〜1億円(自治体・制度により大きく異なる)
補助率 1/2〜2/3が一般的
向いている店舗 地元食材を活用した店、商店街内の店舗、観光地・地域ブランドを打ち出す店
活用例 東京都中小企業振興公社の販路拡大支援金で自社EC構築60万円+広告80万円=140万円のうち70万円補助。大阪府商店街共同事業で近隣5店舗合同SNS広告、1店舗あたり25万円補助の例も

9️⃣創業支援補助金 — 新規開業で上限50〜200万円

🙋
飲食店の社長さん
これから開業するんですが、開業前や開業直後から使える補助金はありますか?
👨‍🏫
ナビ先生
あります。新たに飲食店を開業する方、または開業から数年以内の方向けに創業支援系の補助金が複数あります。代表が「小規模事業者持続化補助金 創業枠(上限200万円)」。自治体独自の創業補助金(東京都創業助成事業で最大400万円など)も選択肢です。開業時の什器・厨房機器・看板・販促費の負担を大きく軽減できます。
項目 内容
対象 創業予定者、または開業後5年以内の事業者(制度により条件が異なる)
上限額 50万円(持続化補助金通常枠)/ 200万円(創業枠)/ 自治体独自で最大400万円
補助率 2/3が標準
向いている店舗 これから飲食店を開業する方、開業から3年以内の店
活用例 看板・内装ディスプレイ50万円+HP40万円+SNS広告30万円+チラシ20万円=合計140万円のうち約93万円補助対象

🔟インバウンド対応補助金 — 多言語対応・外国人客向け改装

🙋
飲食店の社長さん
観光地に店があって外国人客が増えているんですが、多言語メニューや案内サインの費用を補助してもらえますか?
👨‍🏫
ナビ先生
はい、まさにインバウンド対応補助金が使えます。観光庁や各自治体の観光振興課を中心に、多言語メニュー、翻訳タブレット、ムスリム・ヴィーガン対応の調理設備、無料Wi-Fi整備、外国人向け店内案内サインなどへの取り組みを支援する制度が複数あります。京都・大阪・東京・福岡・北海道など観光地立地の店舗は、まず最初に確認してほしい制度です。
項目 内容
対象 訪日外国人観光客の受入環境整備に取り組む飲食店・観光関連事業者
上限額 50万円〜500万円(制度・地域による)
補助率 1/2〜2/3
向いている店舗 観光地立地の店、外国人客比率が3割を超えている店、インバウンド集客を本格化したいチェーン
活用例 多言語メニュー20万円+翻訳タブレット5台30万円+店内多言語サイン10万円+英語看板20万円=合計80万円のうち約53万円補助対象

📊業種別おすすめ早見表(個人店〜チェーン)

👨‍🏫
ナビ先生
10制度を紹介しましたが、店舗規模・業態によって「優先して狙うべき補助金」は違います。下の表で、自店のタイプに当てはまる行をチェックしてみてください。
店舗タイプ 第1優先 第2優先 +合わせ技
個人店(オーナー1名) 小規模事業者持続化補助金(50〜200万円) デジタル化・AI導入補助金(450万円) 自治体独自の販路拡大補助金
家族経営店(2〜4名) 小規模事業者持続化補助金 業務改善助成金(設備投資+賃上げ) 人材開発支援助成金(調理研修)
中小規模店(従業員10名以下) デジタル化・AI導入補助金 キャリアアップ助成金(正社員化) ものづくり補助金(厨房刷新)
小規模チェーン(2〜10店舗) ものづくり補助金(セントラルキッチン化) 事業再構築補助金(業態転換) キャリアアップ助成金+人材開発支援助成金
これから開業 持続化補助金 創業枠(200万円) 自治体独自の創業助成金 日本政策金融公庫 新創業融資との併用
観光地立地 インバウンド対応補助金 自治体観光振興補助金 デジタル化・AI導入補助金(多言語予約)

⚠️飲食店ならではの注意点(食品衛生法・許認可)

🙋
飲食店の社長さん
飲食店だから特に気をつけないといけない点って何かありますか?
👨‍🏫
ナビ先生
飲食店には他業種にない注意点が3つあります。①許認可との整合性、②工事発注のタイミング、③補助対象外経費の把握です。これを知らずに進めると、採択されても補助金返還になりかねません。順番に説明しますね。
注意点1:食品衛生法の許可と一致しているか業態転換や新サービス導入時、現在の食品営業許可の範囲を超える事業に補助金を使うケースが要注意です。たとえば「飲食店営業許可」しか取得していない店が、補助金を活用してテイクアウト用パン製造を始めようとする場合、別途「菓子製造業許可」が必要になることがあります。許可外の事業に補助金を投じてしまうと、最悪の場合は補助金返還になりかねません。事業計画段階で必ず保健所に確認を入れてください。
注意点2:改装工事は施工前の発注厳禁補助金は原則「採択発表後 → 交付決定後 → 発注 → 工事・支払い」の順序を守る必要があります。採択前や交付決定前に厨房改装を発注してしまうと、たとえ採択されていても補助対象外になります。飲食店の改装は工期が読みづらく、先走って業者発注してしまうケースが多いので特に注意が必要です。
注意点3:食材費・仕入原価は補助対象外多くの飲食店オーナーが誤解しがちな点です。食材費・仕入原価・人件費(自社の通常雇用分)は原則補助対象外です。補助金でカバーできるのは「設備投資」「広告宣伝費」「ホームページ制作費」「外注費」「研修費」など、新たな取り組みに紐づく初期投資が中心です。
まとめ:飲食店が陥りやすい落とし穴3選①採択前に厨房業者へ発注してしまう、②食品営業許可の範囲外の事業に補助金を投じる、③補助金で食材費を賄おうとする——この3つは補助金返還・不交付のリスクが高い典型例です。判断に迷う場合は商工会議所の経営指導員にも相談できます。

よくある質問

複数の補助金を併用することは可能ですか?
所管が異なる制度であれば、原則として併用可能です。たとえば「持続化補助金(経済産業省)」+「キャリアアップ助成金(厚生労働省)」+「自治体独自補助金」の3点同時運用は問題ありません。ただし同一の経費を複数の補助金で重複申請する「二重請求」は厳禁です。発覚すると返還+加算金の対象になります。
開業前から補助金は使えますか?
はい、創業支援系の補助金は開業前から申請可能です。「小規模事業者持続化補助金 創業枠(上限200万円)」、東京都の創業助成事業(最大400万円)などが有力な選択肢です。ただし、開業届・税務署提出書類・物件契約書などの最低限の書類が揃っていることが前提になります。
食材費は補助対象になりますか?
原則として食材費・仕入原価は補助対象外です。ただし、新メニュー開発のための「試作費」「サンプル制作費」「外部料理研究家への外注費」などは、事業計画上で「新規メニュー開発」と明確に位置づければ対象になるケースもあります。「日々の営業に使う仕入れ食材」は対象外、「新規開発のための一時的な試作食材」は対象になりうる、と覚えておいてください。
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補助金申請の「事業計画書作成」「申請手続き」は行政書士が専門とする領域です。一方、決算書の作成・税務申告は税理士の業務領域で、両者の役割は明確に分かれています。なお、2026年の行政書士法改正では補助金支援が有資格者のみが正式に行える業務として位置付けが明確化される見込みです。
業態転換のリスクが心配です。事業再構築補助金を使うべきか迷っています。
事業再構築補助金は最大1500万円超の大型補助金ですが、「3〜5年で売上10%以上増」などの数値目標達成が必須条件で、未達の場合は補助金の一部返還もあり得ます。まず小規模事業者持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金で「テストマーケティング」を実施し、需要が確認できてから事業再構築補助金で本格投資という段階的アプローチも有効です。
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