省エネ補助金2026|8/26締切のSHIFT事業DX型は補助率3/4

| カテゴリ: 補助金の基本 | 著者:採択ナビ代表(行政書士 / 認定経営革新等支援機関)

「今月も電気代がとんでもない金額だった」——ここ数年、そんな悲鳴があらゆる業種から聞こえてきます。空調・照明・冷凍設備・工場の動力…電気を使わない会社はありません。そして今、国も自治体も「省エネ設備に入れ替えるならお金を出します」という方向に本気で舵を切っています。この記事では、省エネ・脱炭素(GX)まわりで使える補助金の全体像を、社長さんとナビ先生の会話で整理します。

🙋
中小企業の社長さん
先生、うち、電気代が数年前の1.5倍くらいになってるんです。空調も照明も古いままなので、そろそろ替えたいんですが…まとまったお金が出ていくのがつらくて。
👨‍🏫
ナビ先生(行政書士)
それ、いま一番相談が多いテーマです。実は「省エネのための設備更新」は、補助金がいちばん手厚く用意されている分野のひとつなんですよ。国の省エネ系補助金、ものづくり補助金、持続化補助金、それに自治体の太陽光・蓄電池の補助…選択肢はかなりあります。
🙋
社長さん
えっ、そんなにあるんですか。でも「脱炭素」とか「GX」とか言われても、うちみたいな小さい会社には関係ない話だと思ってました。
👨‍🏫
ナビ先生
むしろ逆です。GX=グリーントランスフォーメーションは「社会全体でエネルギーの使い方を変えよう」という話なので、中小企業の設備更新こそ本丸。難しく考えず「電気代を下げる投資に補助が出る」と読み替えてください。

⚡なぜ今、省エネ設備に補助金が集まっているのか

🙋
社長さん
そもそもなんで、国はそこまでして省エネにお金を出すんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
大きく3つ。①エネルギー価格の高騰で企業が疲弊している、②日本は資源の多くを輸入に頼っている、③国際的に温室効果ガス削減の目標がある——この3つが重なっているからです。企業の省エネは、この3つ全部に効く一石三鳥の打ち手なんですよ。

電気料金の高止まりは、燃料価格や為替、再エネ賦課金などいくつもの要因が重なった結果です。個々の会社が交渉でどうにかできる範囲を超えているため、「単価を下げる」より「使う量そのものを減らす」ほうが確実という発想に切り替わってきました。設備を新しくして消費電力を落とせば、料金がどう動いても効果が残ります。

もうひとつ見逃せないのが、取引先からの要請です。大手企業がサプライチェーン全体のCO2排出量を集計する動きが広がっており、下請け・取引先に対して「排出量を教えてほしい」「削減計画はあるか」と尋ねるケースが増えています。省エネ投資は、コスト対策であると同時に取引継続のための備えにもなりつつあるわけです。

💸

コスト対策
使用量そのものを減らせば、単価が動いても効果が残る
直接の動機
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取引先対応
大手のCO2集計に伴う削減要請への備えになる
経営リスク対策
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政策の後押し
国・自治体ともに省エネ投資を支援する枠が厚い
補助金が使える理由
ここがポイント省エネ投資は「良いことをする」ための出費ではありません。毎月出ていく固定費を、設備投資で恒久的に下げる行為です。しかもその投資の一部を補助金でまかなえる可能性があるなら、検討しない理由のほうが少ない、というのが今の状況です。

⏱いま申請できる制度(2026年8月2日時点・締切順)

🙋
社長さん
省エネの補助金っていろいろあると聞くんですが、今から間に合うものはありますか?
👨‍🏫
ナビ先生
あります。しかも中小企業にとって一番使いやすいものが、いま公募中です。ただし締切が近いので順に見ていきましょう。
締切 制度 補助率・上限 状態
2026年8月26日(水)12時 SHIFT事業 DX型CO2削減対策実行支援事業 3/4・上限200万円 公募中(中小企業の入口として最有力)
2026年8月26日(水)12時 SHIFT事業 省CO2型システムへの改修支援事業(二次公募) 1/3・上限1億円/5億円 公募中
2026年10月30日 18:00 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 1/2〜2/3・上限2,500万〜7,000万円 公募中
2026年10月中旬(予定・確定日未公表) 中小企業省力化投資補助金 一般型 第8回 1/2〜2/3・上限750万〜8,000万円 8月中旬 公募開始予定
随時 中小企業省力化投資補助金 カタログ注文型 1/2以下 交付申請 随時受付中
令和9年3月31日(予算達し次第終了) 東京都 地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業 2/3〜4/5・上限900万〜2億円 受付中
令和8年8月〜11月中旬 実施分 省エネ最適化診断(省エネルギーセンター) 無料 受付中
終了しているもの・未公表のもの省エネ・非化石転換補助金(旧・省エネルギー投資促進支援事業費補助金)の交付申請の公募は1次・2次のみで、2次は2026年7月9日17:00に終了しました。3次の予定は未公表です。なお「3次公募」という情報が出回っていますが、それはメーカー向けの「先進設備・システム」登録公募との混同です。事業者が使う交付申請の公募とは別物です。

SHIFT事業 DX型 — 設備を買わずに使える、中小企業の入口

項目 内容
補助率 3/4
上限 一律 200万円
締切 2026年8月26日(水)12時
対象 年間CO2排出量 50t以上3,000t未満の中小企業等(個人事業主は除く)
申請方法 Jグランツ(GビズIDが必要)
何ができるか 支援機関による削減余地診断+実施計画の策定、電力計測ユニット等のDXシステム導入。大きな設備更新を伴わずに申請できる
注意この制度の価値は「設備投資なしで始められる」点です。いきなり数千万円のボイラ更新に挑むより、まず診断と計測で自社のエネルギー使用を把握し、翌年度に設備補助へ進む——という二段構えが定石です。締切まで日数がないため、動くなら今週中です。
まず無料の診断から省エネルギーセンターの「省エネ最適化診断」は無料で、令和8年度も受付中です。どこにムダがあるか分からない段階なら、ここから始めるのが最も費用対効果が高い一手です。

🗺️省エネ・脱炭素に使える補助金の”地図”

🙋
社長さん
選択肢がいろいろあるって言われても、どれを見ればいいのか…。まず全体像を知りたいです。
👨‍🏫
ナビ先生
大きく4つの系統に分けて覚えるとスッキリします。①国の省エネ専門の補助金、②ものづくり補助金などの汎用的な設備投資補助金、③小規模事業者持続化補助金、④自治体の独自補助。狙いも規模も違うので、自社の投資額と目的で選び分けます。
系統 ざっくりの性格 向いているケース
① 国の省エネ系補助金 省エネ効果そのものを審査する専門枠。省エネ量の算定が必須 工場・大型設備の更新など、投資額が大きく削減効果を数字で示せる案件
② ものづくり補助金など設備投資系 生産性向上が主目的。省エネ設備も「革新的な取組の一部」として対象になり得る 省エネと同時に生産能力・品質を上げたい製造業など
③ 小規模事業者持続化補助金 小規模事業者向け。金額は小さいが使いみちの幅が広い 店舗のLED化・小型高効率機器など、比較的少額の更新
④ 自治体の独自補助 太陽光・蓄電池・EV・高効率機器などをピンポイントで支援 国の制度に当てはまらない規模・用途。併用可否は要確認

大事なのは、「どれか1つを選ぶ」ではなく「自社の投資計画がどの系統に当てはまるかを判定する」という順番です。先に補助金を決めてから設備を選ぶと、本当は必要のない機器を買ってしまったり、逆に本命の設備が対象外だったりします。まずは「何を、いくらで、なぜ入れ替えたいのか」を固めてから、制度を探しにいってください。

補足:公募の”波”を知っておく省エネ系の補助金は、年度の前半に公募が集中する傾向があります。とはいえ制度によって回数も時期もまちまちなので、「今年もあの時期に出るはず」と決めつけないこと。年度の切り替わり時期に、国の事業と自治体の告示を並行してチェックする習慣をつけましょう。

🏭① 国の省エネ系補助金 — 削減効果を”数字”で問う枠

🙋
社長さん
国の省エネ専門の補助金って、どういう審査をされるんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
名前のとおり「どれだけエネルギーを減らせるか」が主役です。投資額に対してどれくらいの省エネ量が出るか、いわゆる費用対効果を計算して比べられます。だから、思いつきの設備更新では戦えません。
🙋
社長さん
計算…苦手なんですけど、自分でやるんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
現実には設備メーカーや施工業者と一緒に作ることがほとんどです。既存設備の仕様と稼働時間、新設備のカタログ値。この3点セットがそろえば、削減量の試算はかなり具体的になります。社長さんの仕事は「稼働の実態を正確に伝えること」ですね。

この系統の補助金は、省エネ量の算定根拠が申請書の心臓部になります。「新しいから省エネです」では通りません。旧設備の消費電力(kW)×稼働時間(h)×稼働日数、といった形で年間の使用量を出し、新設備で同じ計算をして差分を取る——この地道な作業が評価の土台です。

また、補助率や上限額は公募回・枠(区分)によって変わるのが通例です。「去年は◯分の◯だったから今年も同じはず」という前提で資金計画を立てると、交付決定の段階で足りなくなります。必ずその回の公募要領で確認してください。

要注意:先に発注すると対象外省エネ系にかぎらず、多くの補助金では交付決定より前に契約・発注・支払いをした費用は対象外とされます。「補助金が出るなら急ごう」と業者に発注してしまい、後から対象外と判明する——これは非常に多い失敗です。順番は必ず申請 → 採択 → 交付決定 → 発注。

🔧② ものづくり補助金など、設備投資系との組み合わせ

🙋
社長さん
うちは製造業なんですが、ものづくり補助金でも省エネ設備って買えるんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
考え方が少し違います。ものづくり補助金は「生産性を上げる革新的な取組」が主役。だから「省エネしたいから買います」ではなく「この新しい設備で生産性が上がり、結果としてエネルギー効率も改善する」という組み立てにするのが自然です。

たとえば、旧式の加工機を高効率の最新機に入れ替えれば、加工速度が上がって不良も減り、同時に1個あたりの消費電力も下がります。この場合、主題は生産性向上、省エネは強力な副次効果という位置づけになります。事業計画書でも、その順番で書いたほうが審査の軸に噛み合います。

逆に、単純な「LEDへの交換だけ」「空調の入れ替えだけ」といった案件は、ものづくり補助金の”革新性”の枠にはなじみません。その場合は省エネ専門の枠か、持続化補助金、自治体補助を検討したほうが素直です。制度には制度の”物語”があるので、自社の投資をどの物語に載せるかを見極めましょう。

使い分けの目安「省エネそのものが目的」→ 省エネ系の専門枠。「生産性向上が目的で省エネも付いてくる」→ ものづくり補助金系。「小規模で少額」→ 持続化補助金や自治体補助。目的と規模の2軸で当たりをつけると迷いません。

🏪③ 小規模事業者持続化補助金 — 店舗・小規模の設備更新に

🙋
社長さん
知り合いの飲食店が「持続化補助金でエアコンを替えた」って言ってたんですが、そんなことできるんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
持続化補助金は「販路開拓」や「業務効率化」のための取組を支援する制度です。だから設備単体ではなく、「この改修で来店客の満足度が上がり売上につながる」といった販路開拓のストーリーとセットで組み立てるのが基本。ただし何が対象になるかは公募回ごとに整理が変わるので、要領の確認は必須です。

持続化補助金は補助上限額が国の大型補助金に比べれば小さめですが、そのぶん小規模事業者にとって現実的な金額感で、申請の負担も比較的軽めです。店舗の照明のLED化、老朽化した業務用冷蔵設備の更新、断熱性能を上げる内装改修など、数十万円〜数百万円規模の投資と相性が良いといえます。

この制度の特徴は、商工会・商工会議所の関与が前提になっている点です。地域の支援機関と相談しながら計画を練る流れになるため、はじめての補助金申請でも伴走してもらいやすい。「いきなり大型補助金は怖い」という会社の入り口としても向いています。

小さく始めて実績をつくるいきなり数千万円の設備投資に補助金を使おうとすると、書類も報告も一気に重くなります。まず少額の制度で「申請 → 実施 → 実績報告」の一周を経験しておくと、社内に手順が残り、次の大型申請がぐっと楽になります。

☀️④ 自治体の太陽光・蓄電池・EV補助 — 見落としがちな穴場

🙋
社長さん
工場の屋根が広いので太陽光を載せたいと思ってるんですが、これも補助が出ますか?
👨‍🏫
ナビ先生
太陽光や蓄電池は、都道府県や市区町村が独自に補助制度を持っているケースが多い分野です。国の制度ばかり見ていて、地元の告示を見落とす会社がとても多い。まず自社の所在地の自治体サイトを確認してください。
🙋
社長さん
自治体のって、そんなに違うものなんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
全然違います。金額も、対象設備も、事業者向けか住宅向けかも、自治体ごとにバラバラ。しかも予算枠に達したら締め切る「先着順」の制度も珍しくありません。年度の早い時期に動くことが、そのまま採否を分けます。

自治体補助でよく見かける対象設備は、太陽光発電設備、蓄電池、高効率空調、LED照明、EV(電気自動車)・充電設備、断熱改修などです。「事業者向け」「中小企業向け」といった区分が設けられていることが多いので、住宅向け制度と取り違えないよう注意しましょう。

探し方のコツは、「自治体名+事業者+省エネ 補助金」「自治体名+蓄電池 補助」のような検索に加えて、商工会議所・商工会の会報や、地域の金融機関が配るお知らせをチェックすること。地元の支援機関は、国の制度より自治体制度に詳しいことがよくあります。

先着順・予算上限に注意自治体の制度は、審査型ではなく「予算がなくなり次第終了」という運用が多くあります。書類を完璧にしようと粘っているうちに枠が埋まる、というのが典型的な失敗パターン。受付開始日を先に押さえて逆算してください。

🧰対象になりやすい設備・なりにくい設備

🙋
社長さん
結局、どんな設備なら補助の対象になりやすいんでしょう。
👨‍🏫
ナビ先生
共通するのは「入れ替え前後でエネルギー使用量の差がはっきり出るもの」。逆に効果が測りにくいもの、単なる修繕や原状回復に見えるものは弱いです。
設備カテゴリ ねらい・特徴 効果の測りやすさ
高効率空調 事務所・店舗・工場で消費電力の比重が大きい。古い機種ほど差が出やすい ◎ 消費電力の仕様差が明確
LED照明 導入しやすく効果も計算しやすい定番。台数が多いほど効く ◎ 台数×W数で単純計算できる
断熱改修(窓・壁・屋根) 空調の負荷そのものを下げる。空調更新との組み合わせが強い ○ 算定に一定の前提が必要
受変電設備(高圧受電まわり) 老朽化した変圧器の更新で損失を低減。工場・大型施設向け ○ 機器仕様で試算可能
冷凍・冷蔵設備 飲食・食品・小売で消費が大きい。24時間稼働なので効果が積み上がる ◎ 稼働時間が長く差が出る
太陽光・蓄電池 買う電気そのものを減らす。自治体制度と相性が良い ○ 発電量の試算が前提になる
EV・充電設備 社用車の電動化。自治体の独自制度が多い分野 △ 走行実態の前提が必要
エネルギー計測・見える化 使用量を測る仕組み。単体より設備更新とセットで検討したい △ 単体では削減効果が出ない

逆に、単なる故障修理、原状回復のための工事、消耗品の購入などは、多くの制度で対象外か、対象と認められにくい部類です。「壊れたから直す」ではなく「性能を上げて使用量を減らす」——この線引きを意識して計画を書きましょう。

中古品・リースの扱いは制度ごとに違う設備の調達方法によって、対象になったりならなかったりします。中古設備、リース契約、割賦(分割払い)などは制度ごとに扱いがはっきり分かれるので、契約形態を決める前に必ず要領で確認してください。契約してから確認するのでは遅すぎます。

📊カギは「エネルギー使用量の把握」と「効果算定」

🙋
社長さん
申請書を書くとき、いちばん大事なところってどこですか?
👨‍🏫
ナビ先生
はっきり言います。現状のエネルギー使用量を、根拠を持って書けるかどうか。ここが全部の土台です。現状が曖昧だと、削減効果も曖昧になり、審査で数字を信じてもらえません。
🙋
社長さん
現状って…電気の検針票くらいしかないんですが。
👨‍🏫
ナビ先生
それで十分スタートできます。直近12か月分の検針票(または請求書)を並べるのが第一歩。季節変動が見えて、どの月にどれだけ使っているかが分かります。そこに設備ごとの稼働時間を足していけば、けっこう精度の高い現状把握になりますよ。
1
直近12か月の使用量を集める 電気・ガス・重油など、請求書や検針票を月別に並べる
2
主要設備をリストにする 空調○台、照明○本、冷凍機○台…と数量と型番を書き出す
3
稼働時間を実態で埋める 1日何時間、週何日、年何日。ここは推測でなく現場に確認
4
更新後の仕様を業者から取る 新設備のカタログ値・見積書。同条件で計算できる形で
5
差分=削減効果を算定 更新前後の年間使用量の差を出し、前提条件も明記する

ここで重要なのは、「前提条件を必ず書く」こと。稼働時間を何時間として計算したのか、季節による変動をどう扱ったのか。前提が書いてあれば、多少数字が粗くても「根拠のある試算」として読んでもらえます。逆に、前提のない削減率だけを書くと、数字が良くても信頼されません。

もうひとつ、削減効果は”金額”にも翻訳しておくと説得力が増します。「年間◯kWh削減」だけでなく「現在の単価で試算すると年間◯円相当の削減見込み」まで書くと、投資回収の見通しが伝わります。ただし電力単価は変動するので、あくまで試算・目安であることを明記してください。

数字は”盛らない”削減効果を大きく見せたい気持ちは分かりますが、過大な試算は実績報告で必ず跳ね返ってきます。事業完了後に効果報告を求められる制度では、申請時の数字と実測値の乖離が問題になり得ます。堅めに、根拠を持って書くのが結局いちばん強いです。

📝申請から入金までの流れ

🙋
社長さん
申請したら、どのくらいでお金が入るものなんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
ここは覚悟が必要です。補助金は原則後払い。設備代はいったん全額自社で払い、実績報告が通ってから入金されます。制度によりますが、申請から入金まで1年近くかかることも珍しくありません。
01
公募要領の確認 対象者・対象経費・補助率・スケジュールを読む。ここを飛ばすと全部やり直し
02
現状把握と設備の選定 使用量の集計、業者から見積・仕様書を取得(相見積が求められる制度も)
03
事業計画・省エネ効果の算定 削減量と根拠、投資回収の見通しを書類にまとめる
04
申請(多くは電子申請) GビズIDなどのアカウントが必要な制度は、取得に日数がかかる点に注意
05
審査 → 採択発表 省エネ系は費用対効果が比較される。結果は公表されることが多い
06
交付申請 → 交付決定 この決定より前の発注・契約は対象外。ここが最大の関門
07
発注・工事・支払い 証拠書類(契約書・納品書・請求書・振込記録)を漏れなく保管
08
実績報告 設置写真、支払証憑、効果の実績。ここが甘いと減額・不交付もあり得る
09
確定検査 → 補助金入金 金額が確定してようやく振込。ここまでの資金繰りは自社持ち
10
事業完了後の報告・財産管理 一定期間、効果報告や設備の処分制限がある制度も

特に注意したいのが06と07の順番です。設備の納期が長い機器だと「早く発注しないと年度内に間に合わない」という圧力がかかりますが、それでも交付決定前に発注してしまえば補助対象外になり得ます。納期の長い設備を選ぶ場合は、スケジュール全体を業者と共有しておくことが必須です。

つなぎ資金を先に考える後払いということは、設備代金の全額をいったん自社で用意する必要があるということです。金融機関に「補助金採択済み」を伝えてつなぎ融資を相談するのが一般的な進め方。採択されてから資金を探し始めると間に合わないので、申請前に見通しを立てておきましょう。

🕳️つまずきポイント7選

🙋
社長さん
先に失敗パターンを知っておきたいです。うち、たぶん全部やらかしそうなので…。
👨‍🏫
ナビ先生
いい心がけです。省エネ系のつまずきは、ほぼ決まったところで起きます。7つにまとめたので、これだけでも頭に入れておいてください。
① 交付決定前に発注してしまうもっとも多い失敗。業者に急かされても、決定通知を見るまでは契約書にハンコを押さない。口頭の発注も「発注」とみなされ得ます。
② 現状のエネルギー使用量が把握できていない検針票を捨ててしまっている、複数拠点の按分ができない、といったケース。請求書は最低でも直近1年分を保管する習慣をつけましょう。
③ 見積の要件を満たしていない相見積が必要なのに1社しか取っていない、見積書に型番や数量の内訳がない、有効期限が切れている——形式面での差し戻しは非常に多いです。
④ 補助対象経費と対象外経費が混ざっている設備本体は対象でも、既存設備の撤去・処分費、事務所の一般的な改装費などが対象外とされることがあります。見積書の段階で内訳を分けてもらうのが鉄則。
⑤ 資金繰りの計画がない後払いを甘く見て、支払い時期に現金が足りなくなるパターン。工事代金の支払時期と補助金入金時期を並べた資金繰り表を作りましょう。
⑥ 実績報告の証拠書類が足りない設置前・設置後の写真がない、支払いを現金でしていて振込記録が残っていない、など。写真は着工前から撮っておく。撮り直しがきかない書類です。
⑦ 公募回の変更に気づかない補助率、上限額、対象設備、加点項目は回ごとに見直されます。前回の資料をそのまま流用すると、要件を外したまま提出してしまいます。毎回まっさらな気持ちで要領を読む。

🧭自社に合う制度の絞り込み方

🙋
社長さん
最後に、うちみたいな会社はどこから手をつければいいですか?
👨‍🏫
ナビ先生
順番はシンプルです。①電気代の中身を見る → ②いちばん食っている設備を特定する → ③その設備を更新する前提で見積を取る → ④その投資額に見合う制度を探す。この順番なら、制度に振り回されずに済みます。
Q1
投資額はいくら? 数十万〜数百万円 → 持続化補助金・自治体補助/数百万〜数千万円 → 省エネ系・ものづくり系
Q2
目的は省エネ単体? 省エネが主目的 → 省エネ専門枠/生産性向上が主目的 → ものづくり補助金系
Q3
削減効果を数字で出せる? 出せる → 国の制度も戦える/難しい → 自治体の定額型補助を優先
Q4
資金を立て替えられる? できる → そのまま申請へ/不安 → 先に金融機関に相談し、つなぎ資金を確保
まとめ省エネ補助金は「電気代という固定費を、設備投資で恒久的に下げる」ための道具です。カギは現状のエネルギー使用量の把握と、根拠のある効果算定。そして交付決定前に発注しないという鉄則。この3点を押さえれば、あとは自社の投資規模に合う制度を選ぶだけです。

❓よくある質問

賃貸の店舗・事務所でも省エネ補助金は使えますか?
制度によります。建物に固定する設備(空調の埋め込み、断熱改修など)は、貸主の承諾書を求められることが多いです。まず賃貸借契約と管理会社への確認を先に済ませ、そのうえで対象になるかを公募要領で確かめてください。承諾が取れずに申請を断念するケースは実際にあります。
国の補助金と自治体の補助金は併用できますか?
制度ごとに扱いが分かれます。「同じ経費に対して二重に補助を受けること」は原則として認められませんが、対象経費を分ければ両方使えるケースもあります。併用を前提に計画するなら、必ず双方の窓口に事前確認してください。後から発覚すると返還の対象になり得ます。
補助金で買った設備は、あとで自由に処分できますか?
多くの制度で「処分制限期間」が設けられており、一定期間は売却・廃棄・目的外使用に事前承認が必要とされます。期間や手続は制度により異なるため、交付要綱の該当箇所を必ず確認しておきましょう。設備の入れ替えサイクルが短い業種は特に注意が必要です。
太陽光を載せたいのですが、売電目的でも補助の対象になりますか?
「自家消費が前提」とされている制度が多く、売電を主目的とする設備は対象外または制限がかかることがあります。自社で使う電力を減らす目的なのか、売電収入を得る目的なのかで扱いが変わるため、事業計画の段階で位置づけをはっきりさせてください。
申請書は自分で書けますか?それとも専門家に頼むべき?
少額の自治体補助や持続化補助金であれば、商工会・商工会議所の支援を受けながら自社で作成する例は多くあります。一方、省エネ効果の算定が重い制度では、設備業者の技術資料と申請書の整合を取る作業が発生します。自社の体力と制度の重さを見て判断してください。
採択されなかった場合、次の回に再申請できますか?
多くの制度で再申請は可能です。不採択の理由が開示される制度もあるため、通知内容を確認して弱点を潰したうえで出し直すのが基本の動き方。ただし公募回ごとに要件が変わることがあるので、前回の書類をそのまま出すのは避けましょう。
※注意事項本記事の金額・要件・スケジュールに関する記述は、あくまで一般的な傾向をつかむための目安です。公募回・年度により要件は変わります。必ず最新の公募要領/自治体の告示をご確認ください。

🏭省エネ・非化石転換補助金 — 枠別の補助率と上限

🙋
社長さん
大きい設備を入れるなら、どの枠を狙うのが得なんでしょうか。
👨‍🏫
ナビ先生
省エネ率で枠が決まります。達成できる省エネ率が高いほど補助率も上限も上がる設計です。ただしこの制度は今年度の交付申請の公募が終わっているので、次回に向けた準備の話になります。

工場・事業場型

枠 補助率 上限(単年度/複数年度) 省エネ率+非化石割合増加率の要件
先進枠 中小 2/3/大企業 1/3〜1/2 15億円(非化石20億円)/30億円(同40億円) 30%以上
一般枠 中小 1/2/大企業 1/3 15億円(20億円)/20億円(30億円) 10%以上
中小企業投資促進枠 1/2(投資回収年数7年未満は1/3) — 7%以上(投資回収年数は3年以上)
サプライチェーン連携枠 中小 1/2/大企業 1/3 — 5%以上

設備単位型(指定15設備の更新)

枠 補助率 上限
従来枠 1/3以内 1億円
メーカー強化枠 1/3以内 3億円
トップ性能枠 更新 1/2以内/新設 1/5以内 3億円
注意対象は高効率空調、産業ヒートポンプ、産業用モータ、低炭素工業炉、高性能ボイラ、LED照明など指定された15設備への更新です。トップ性能枠はAIクラウド制御付きの高効率機に限定されます。

いずれも2026年度の交付申請の公募は終了しています。次回の予定は未公表なので、いま動くなら8月26日締切のSHIFT事業から入るのが現実的です。

🧮モデルケース:従業員28名・年商4.2億円の金属加工会社が組む省エネ投資

🙋
社長さん
結局、うちの規模だといくらになるのかが知りたいんです。
👨‍🏫
ナビ先生
では具体例で並べましょう。従業員28名・年商4.2億円の金属加工業(年間電力90万kWh、A重油180kl、年間CO2排出量 約880t-CO2=SHIFT事業DX型の「50t以上3,000t未満」を満たす)を想定した試算です。
使う制度 導入するもの(品目と単価) 投資額 補助率 補助される額 ねらう効果
SHIFT事業 DX型
(2026年8月26日12時締切)
削減余地診断+実施計画策定 186万円
DXシステム(電力計測ユニット8点・レンタル)80万円
266万円 3/4 199.5万円
(上限200万円以内)
運用改善3件を抽出。コンプレッサ吐出圧の適正化・空調スケジュール見直しで電力▲3%=年59万円、CO2▲11.7t/年
省エネ・非化石転換補助金
設備単位型・従来枠
※次回公募待ち
高効率空調(業務用パッケージエアコン10馬力相当)@130万円×6台 780万円 1/3 260万円 空調電力を▲25%=年99万円
同・トップ性能枠(更新)
※次回公募待ち
高性能ボイラ(台数制御装置付)1式 1,800万円 1,800万円 1/2 900万円 重油を▲12kl/年=年132万円、CO2▲32.5t/年
同・電化/脱炭素燃転型
※次回公募待ち
重油ボイラ→産業用ヒートポンプ(蒸気発生型)3,600万円
付帯工事 600万円
4,200万円 1/2 2,100万円 重油▲60kl/年、電力+18万kWh/年 → 差引年264万円のコスト減、CO2 正味▲84.5t/年
中小企業省力化投資補助金
一般型(第8回・10月中旬予定)
協働ロボット2台+搬送コンベア 一式 2,000万円 2,000万円 1/2 1,000万円 2工程を自動化し年1,900時間削減(労務費 約380万円/年)
合計 — 9,046万円 — 4,459.5万円 エネルギーコスト 年約554万円削減/CO2 年約128.7t削減
この表の位置づけ当事務所が各制度の補助率・上限をもとに作成した試算モデルで、特定企業の実績ではありません。投資額と削減効果はモデルの仮定値であり、一次情報で確認済みなのは補助率と上限額のみです。2〜4行目の制度は2026年8月2日時点で公募が終了しており、次回(3次)のスケジュール・枠構成は未公表です。次回公募を前提としたモデルとしてお読みください。また国の補助金どうしで同一経費を重複計上することはできません。
進め方①まず無料の省エネ最適化診断で現状を把握 → ②SHIFT事業DX型(3/4・上限200万円)で計測と計画づくり。締切は8月26日12時 → ③そこで見えた削減余地をもとに、次回公募の設備補助へ。いきなり大型設備から入らないことが、採択率と実効性の両面で有利です。

本記事の情報について

本記事は公開時点で確認できる公募要領等の一次情報に基づいて作成しています。補助金・助成金の制度内容、補助上限額、補助率、公募期間は予告なく変更される場合があり、同一制度でも公募回次によって要件が異なります。制度の統合・名称変更が行われることもあります。

ご申請の前には、必ず各制度の公式サイトおよび最新の公募要領をご確認ください。

本記事は制度の情報提供を目的とするもので、個別の申請可否や採否を保証するものではありません。最終的なご判断は、各制度の公募要領および管轄の窓口・有資格者にご確認ください。

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補助金の公募期間は中央値で36日しかなく、公表に気づいた時点で締切まで1か月を切っていることも珍しくありません。公募開始日と締切が公表され次第、無料でお送りします。業種をご記入いただくと、その業種で対象になりやすい制度を優先してお送りします。

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