空き家活用の補助金2026|改修は国と地方で2/3・用途変更は200㎡

| カテゴリ: 補助金の基本 | 著者:採択ナビ代表(行政書士 / 認定経営革新等支援機関)

相続した実家、使わなくなった旧店舗、閉めたままの事務所——全国で空き家・遊休不動産が増え続けています。放置すれば税負担と管理コストがのしかかるだけですが、改修して事業に使うなら話は別。自治体の空き家改修補助、移住定住支援、そして中小企業向け補助金を組み合わせれば、初期投資のハードルはぐっと下がります。この記事では、空き家活用まわりの支援制度と、避けて通れない許認可のハードルを整理します。

🙋
中小企業の社長さん
先生、実家を相続したんですが、誰も住まないまま3年経ってしまって。固定資産税は毎年かかるし、草は伸びるし…売ろうにも田舎で買い手がつかなくて困ってます。
👨‍🏫
ナビ先生(行政書士)
とても多いご相談です。実は今、行政は空き家の「活用」を強く後押ししているんですよ。放置される空き家が全国的な課題になっているので、改修して住む・貸す・事業に使う方向には、自治体の補助制度がかなり用意されています。
🙋
社長さん
事業に使う…って、たとえばどんな?あの古い家で商売なんてできますかね。
👨‍🏫
ナビ先生
よくあるのは宿泊施設、カフェや飲食店、シェアオフィス・コワーキング、店舗、事務所あたりですね。ただし——ここが本題なんですが、「用途を変える」ことには建築や営業許可の壁がある。補助金の話とセットで、そこを最初に確認する必要があります。

🏚️なぜ今、空き家に補助金が付くのか

🙋
社長さん
空き家って、そんなに社会問題になってるんですか?
👨‍🏫
ナビ先生
はい。人口減少と世帯構造の変化で、使われない住宅が全国的に増加傾向にあります。管理されない空き家は倒壊、火災、害虫、景観の悪化、治安といったリスクの温床になるので、行政としては放置させたくない。だから「壊す」か「使う」のどちらかに誘導する制度が整えられてきたんです。

空き家対策には、大きく「除却(解体)」「管理」「活用」の3方向があります。危険な状態にある空き家は解体を促し、まだ使えるものは流通させて活用してもらう——というのが基本的な考え方です。このため自治体の制度も、解体費の補助と改修費の補助の両方が用意されていることが多くなっています。

さらに、地方部では移住定住政策と空き家対策が結びついています。「空き家バンク」に登録された物件を移住者が購入・賃借して改修する場合に補助が出る、といった仕組みです。事業者が地域で開業する場合を対象にした制度も少なくありません。空き家の活用は、地域にとって「人と仕事を呼び込む手段」でもあるわけです。

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除却(解体)
危険な状態の空き家を取り壊す。解体費補助が用意されることも
リスク除去
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改修・活用
まだ使える建物を直して住む・貸す・商売に使う
本記事の主題
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移住・定住促進
空き家バンク経由の取得・改修に補助。地域振興とセット
地方部に多い
放置のコストを直視する空き家を持ち続けるだけでも、固定資産税、火災保険、草刈り・除雪などの管理費、遠方なら交通費がかかり続けます。さらに、管理不全と判断された場合には税負担の扱いが変わる仕組みもあります。「何もしない」がいちばん高くつく可能性がある、という前提で選択肢を比べてください。

🏛️自治体の空き家改修補助・移住定住支援

🙋
社長さん
まず何から調べればいいですか?
👨‍🏫
ナビ先生
最初に見るべきは「その空き家がある市区町村」の公式サイト。空き家の補助は圧倒的に自治体主導なので、国の制度を探すより、まず地元です。担当課は「建築住宅課」「まちづくり課」「定住促進課」など、自治体によって名前が違います。
🙋
社長さん
サイトを見ても、どこにあるか分からなそうです…。
👨‍🏫
ナビ先生
遠慮せず電話で聞くのが一番早いです。「空き家の活用を考えているのですが、補助制度はありますか」と代表番号にかければ担当課につないでくれます。空き家バンクの有無もあわせて確認を。窓口で他の制度を教えてもらえることも多いですよ。

自治体の空き家関連補助でよく見られるメニューを整理すると、次のようになります。名称は自治体ごとに異なりますが、大枠のパターンはかなり共通しています。

メニュー 内容の傾向 チェックすべき条件
空き家改修補助 内外装のリフォーム、水回り更新、耐震改修などの費用の一部を補助 空き家バンク登録が要件か/居住用限定か事業用も可か
空き家解体(除却)補助 老朽危険空き家の取り壊し費用を一部補助 危険度の判定基準/跡地の活用条件が付くことも
移住・定住支援 市外からの移住者が空き家を取得・改修する際に補助 転入要件、居住年数の縛り、年齢や世帯構成の条件
家財処分・片付け補助 残置物の撤去費用を補助。地味だが実務では効く 改修補助とセットが条件のことも
耐震診断・耐震改修補助 旧耐震基準の建物の診断・補強工事を支援 建築年の要件/診断が先行して必要な場合が多い
創業・出店支援(空き店舗活用) 商店街等の空き店舗での開業に対する家賃・改装費補助 対象エリアの指定/営業年数の縛り
「事業用は対象外」の落とし穴空き家改修補助の多くは「居住用」を前提にしています。カフェや宿にするつもりなのに居住用限定の制度に申請すると、当然通りません。逆に、商工部門が持つ空き店舗活用・創業支援のほうが合っている場合があります。「住むのか、商売に使うのか」を最初に整理してから窓口へ行きましょう。
先着順・予算枠に注意自治体の補助は「予算に達し次第終了」の運用が多く、年度末には枠が残っていないことも珍しくありません。年度が変わる時期に告示を確認し、受付開始から動くのが基本戦略です。

🏢事業転用で使える中小企業向け補助金との組み合わせ

🙋
社長さん
自治体の空き家補助だけだと、額が小さそうですね。改修工事って結構かかるでしょう?
👨‍🏫
ナビ先生
鋭いです。だから「不動産まわりの補助」と「事業まわりの補助」を組み合わせて考えるのが実務のコツ。空き家を使って新しい事業を始めるなら、中小企業向けの補助金——持続化補助金や設備投資系の制度——が視野に入ってきます。
🙋
社長さん
補助金を2つ使うってことですか?そんなことできるんです?
👨‍🏫
ナビ先生
条件付きで可能なことがあります。ただし絶対のルールがひとつ。「同じ経費」に2つの補助を受けることはできません。建物の改修は自治体補助、店内の設備や什器は事業系補助——というように対象経費をきれいに分ける設計にする必要があります。

事業転用のパターン別に、視野に入る制度を整理してみましょう。「建物をどうするか」と「事業をどう立ち上げるか」を分けて考えるのがポイントです。

転用パターン 建物側で検討する制度 事業側で検討する制度
宿泊施設(民泊・簡易宿所・旅館) 自治体の空き家改修補助、耐震・断熱改修補助、観光まちづくり系の支援 創業支援、設備投資系補助金、販路開拓(予約サイト整備等)
カフェ・飲食店 空き店舗活用補助、商店街活性化系の支援 持続化補助金(販路開拓)、厨房設備の投資に関する制度
シェアオフィス・コワーキング 空き家改修補助、地域拠点整備系の支援 IT関連の導入支援、創業支援
物販店舗・ギャラリー 空き店舗活用補助、景観・町並み保全系の支援 持続化補助金、EC構築の支援
倉庫・作業場 自治体の事業所整備支援(地域による) 設備投資系補助金

注意したいのは、建物そのものの取得費(購入代金)は、多くの補助金で対象外とされることです。補助の対象は「改修工事費」「設備費」といった部分に限られるのが一般的で、不動産の購入そのものに補助が出るケースは限定的だと考えておいたほうが現実的です。

組み合わせ設計の考え方「建物の器を直すお金」=自治体の空き家/空き店舗系、「中でやる商売を立ち上げるお金」=中小企業向け補助金。この2階建てで見取り図を描くと、どこにどれだけ資金が必要かが見えてきます。ただし併用の可否と経費の切り分けは、必ず両方の窓口に事前確認してください。
同一経費の二重取りはNG1つの工事費に対して、自治体補助と国の補助金の両方を受けることは原則できません。見積の段階で工事を費目ごとに分割し、どの費用をどちらの制度に載せるかを設計しておくこと。後から切り分けようとすると、非常に苦労します。

空き家再生等推進事業(国土交通省・市区町村経由)

タイプ 費用の負担割合 交付対象限度額 要点
活用事業タイプ 国 1/3・地方 1/3・所有者 1/3 費用 × 2/3 改修後10年以上の活用が条件
除却事業タイプ 国 2/5・地方 2/5・所有者 1/5 工事費 × 8/10 不良住宅の除却、跡地整備など
注意「交付対象限度額」という二段構えの落とし穴があります。除却の場合、まず工事費に8/10を掛けた額が限度額になり、そこに2/5・2/5を掛けます。工事費200万円なら限度額160万円、国64万円+地方64万円=補助128万円で、所有者負担は72万円。単純に「工事費の4/5が出る」わけではありません。

さらにこの事業は市区町村が導入していることが大前提です。導入していない自治体では0円。導入していても市区町村の交付要綱が独自の上限額(数十万〜数百万円)を設けているのが通常です。

用途変更と建築確認 — ここが最大の壁

論点 内容
建築確認が必要になる規模 用途変更する部分の床面積が 200㎡超 の場合、建築確認申請が必要
200㎡以下なら 用途変更に伴う建築確認申請は不要。ただし旅館業許可・消防法・食品衛生法の許可は別途必要
市街化調整区域 古民家の宿泊・飲食への転用について、運用の弾力化が図られています
注意「補助金が取れるか」より先に、「そもそも使える建物か」を確認してください。補助金の交付決定を受けたあとで用途変更ができないと分かると、計画そのものが崩れます。順番は①建築基準法・消防法・旅館業法の確認 → ②補助金です。

空き家の譲渡所得3,000万円特別控除

項目 内容
控除額 最大 3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)
適用期限 令和9年末まで
位置づけ これは売却する側の税制です。空き家を活用する事業者向けの補助金とは別主体・別勘定なので混同しないでください

⚖️もうひとつの壁——用途変更と営業許可

🙋
社長さん
さっき「用途を変える壁」って言ってましたよね。あれ、どういう話ですか?
👨‍🏫
ナビ先生
ここが空き家活用でいちばんつまずくところです。建物には「用途」が定められていて、住宅を宿泊施設や飲食店にする場合、建築基準法上の手続や、消防・衛生の基準を満たす必要が出てくる。補助金より先に、こちらをクリアできるか確認しないと、計画そのものが成立しません。
🙋
社長さん
工事の話じゃなくて、法律の話ですか…想像してませんでした。
👨‍🏫
ナビ先生
そうなんです。順番としては「許認可の見通し」→「改修計画」→「補助金」。ここを逆にすると、補助金が採択されたのに営業許可が下りない、という最悪の事態が起こり得ます。ざっくり全体像をお伝えしますね。

空き家を事業に転用する際に関係してくる主なルールを、事実ベースで整理します。個別の判断は建物の規模・構造・立地・地域の条例によって大きく変わるため、ここでは「何を確認すべきか」の見取り図として読んでください。

論点 何が問題になるか 相談先の目安
用途地域 その土地でその業種を営めるか。住居系の地域では制限がかかることがある 市区町村の都市計画担当課
用途変更(建築基準法) 住宅を特殊建築物(飲食店・旅館等)にする場合、規模等に応じて手続が必要になり得る 建築指導課/建築士
消防法 用途によって必要な消防設備(消火器・警報設備・誘導灯等)が変わる 所轄の消防署 予防課
食品衛生(飲食店営業許可) 厨房の構造、手洗い、シンクの数など施設基準を満たす必要がある 保健所
旅館業法(簡易宿所等) 宿泊事業を継続的に行う場合の許可。構造設備基準と条例上の要件 保健所/都道府県の担当課
住宅宿泊事業法(民泊) 届出制。年間営業日数の上限があり、自治体の条例で上乗せ規制がある場合も 都道府県・保健所設置市の担当窓口
登記・相続 相続登記が未了だと、そもそも所有者として手続が進められない 司法書士/法務局
接道・再建築の可否 道路付けによっては増改築に制限がかかる。将来の資産価値にも関わる 建築指導課/建築士

特に混同されやすいのが、宿泊事業の2つのルートです。ひとつは旅館業法に基づく営業許可(簡易宿所営業など)、もうひとつは住宅宿泊事業法に基づく届出(いわゆる民泊)。前者は許可が必要で構造設備の基準も相応にありますが、営業日数の上限はありません。後者は届出制で始めやすい一方、年間の営業日数に上限があり、自治体の条例でさらに制限がかかることもあります。どちらを選ぶかで、必要な改修工事も収支計画も変わります。

補助金より先に、許認可の見通しを立てる「改修して宿にする」計画で補助金を申請したのに、消防設備の要件を満たせず断念——これは実際に起こります。物件を取得する前、遅くとも改修設計の前に、消防署と保健所に図面を持って事前相談してください。相談自体は無料で受け付けているのが通常です。
行政書士の関わる領域営業許可の申請書類作成や、行政庁への提出手続の代理は、行政書士の業務領域に含まれるものがあります。ただし建築確認や設計は建築士、登記は司法書士——と専門分野が分かれているため、案件によっては複数の専門家が関わることになります。まずは自分の計画にどの手続が必要かを把握するところからです。

📋空き家活用の進め方(申請の流れ)

🙋
社長さん
やることが多すぎて頭が混乱してきました。順番を教えてください。
👨‍🏫
ナビ先生
大丈夫、順番さえ守れば1つずつ片付きます。「権利 → 法規 → 事業計画 → 補助金 → 工事 → 許可 → 開業」。この流れを崩さないことが最大のコツです。
01
権利関係の整理 相続登記は済んでいるか、共有者はいるか、抵当権は。ここが未了だと先へ進めない
02
建物の現況把握 建築年、構造、面積、傾き・雨漏り・シロアリ。必要なら建築士に見てもらう
03
法規の事前確認 用途地域、用途変更の要否、消防・保健所の基準。図面を持って窓口へ事前相談
04
事業計画をつくる 誰に何を売るのか、想定売上と経費、投資回収の見通し
05
補助制度を洗い出す 自治体の空き家/空き店舗系+中小企業向け補助金。併用可否も確認
06
見積を取る(費目別に) 建物改修、設備、什器を分けた内訳付きの見積を業者に依頼
07
補助金を申請 → 交付決定 決定前に工事契約をしない。ここを守らないと対象外に
08
改修工事の実施 着工前・工事中・完成後の写真を必ず撮る。支払は振込で記録を残す
09
営業許可の申請・検査 保健所・消防の現地確認。指摘があれば手直し
10
実績報告 → 補助金入金 証拠書類を揃えて報告。確定後に入金される(後払い)

この流れで特に神経を使うのが03と07です。03を飛ばすと計画が根本から崩れ、07を飛ばすと補助金が受け取れません。どちらも「急いでいるとき」に飛ばしたくなる工程なので、意識して守ってください。

工事写真は撮り直せない改修工事は、終わってしまえば壁の中も床下も見えなくなります。着工前の状態、解体後の下地、設備の設置状況、完成後——段階ごとに撮影しておくこと。施工業者に「補助金を使うので工程写真をお願いします」と最初に伝えておくのが確実です。

🕳️つまずきポイント7選

🙋
社長さん
失敗パターンも聞いておきたいです。
👨‍🏫
ナビ先生
空き家活用は「不動産」「法規」「補助金」「事業」の4つが絡むので、失敗の種類も多彩です。よくある7つを挙げますね。
① 相続登記が終わっていない名義が亡くなった親のままだと、補助金の申請でも工事契約でも所有者確認で止まります。共有相続人が多数いる場合はさらに時間がかかるので、いちばん最初に着手すべき工程です。
② 用途変更・営業許可の見通しを立てずに買ってしまう物件を取得してから「この建物では許可が取れない」と分かるパターン。取得前の事前相談で防げます。
③ 改修費が想定の倍になる古い建物は、開けてみないと分からない不具合(腐朽、シロアリ、配管、基礎)が出てきます。予備費を厚めに見ておくのが鉄則。補助金の上限額は変わらないので、超過分は自己負担になります。
④ 「居住用限定」の制度に事業目的で申請する制度の対象を読み違えるパターン。住むのか商売に使うのかで、見るべき窓口が変わります。
⑤ 交付決定前に工事契約をしてしまう「業者のスケジュールが空いているうちに」と先に契約し、対象外になるケース。順番だけは絶対に守る。
⑥ 家財(残置物)の処分を計算に入れていない長年放置された家には大量の家財が残っています。処分費は想像以上にかかるうえ、補助の対象になるかは制度次第。見積を早めに取りましょう。
⑦ 事業計画が「建物ありき」になっている「せっかく直したのだから何かやろう」では、開業後に立ち行かなくなります。その場所に、そのお客さんが本当に来るのか——事業として成立するかを冷静に検証してください。

🧭まず何から動くべきか

🙋
社長さん
最後に、明日から何をすればいいか教えてください。
👨‍🏫
ナビ先生
お金のかからない3つから始めましょう。①登記簿を取って権利関係を確認、②市区町村に電話して空き家の補助制度と空き家バンクの有無を聞く、③やりたい事業について消防署と保健所に事前相談。この3つは費用ゼロで、判断材料が一気に増えます。
Q1
名義は自分になっている? なっている → 次へ/未了 → まず相続登記の相談から
Q2
住むのか、事業に使うのか 住む/貸す → 住宅系の補助/商売に使う → 空き店舗・創業系+事業系補助金
Q3
その用途は法的に可能? 用途地域・用途変更・消防・保健所を事前相談。ここで可否がほぼ決まる
Q4
改修費を立て替えられる? 補助金は後払い。工事代金は先に自社で支払う前提で資金計画を
まとめ空き家活用は「補助金探し」から始めると失敗します。正しい順番は、権利の整理 → 法規の見通し → 事業計画 → そのうえで制度を探す。この順番を守れば、補助金は計画を後押しする道具として正しく機能します。逆にすると、採択されても事業が動かない、という一番苦しい結末になりかねません。

❓よくある質問

空き家を買う費用そのものに補助は出ますか?
建物の取得費(購入代金)は多くの補助制度で対象外とされ、補助の中心は改修工事費や設備費です。ただし移住定住施策の一環として取得を支援する自治体独自の制度が存在することもあるため、所在地の自治体窓口で確認してください。
自治体の補助金と国の補助金は併用できますか?
同じ経費に対する二重の補助は原則できませんが、対象経費を分ければ両方を活用できるケースがあります。たとえば建物改修は自治体補助、事業用の設備・什器は事業系補助金、といった切り分けです。併用の可否は制度ごとに明記されているため、必ず双方の窓口に事前確認してください。
民泊(住宅宿泊事業)と旅館業の許可、どちらを選ぶべきですか?
住宅宿泊事業法に基づく民泊は届出制で始めやすい反面、年間営業日数に上限があり、自治体の条例で区域や期間の制限が加わることがあります。旅館業法の営業許可(簡易宿所など)は構造設備の基準を満たす必要がある一方、日数制限はありません。想定する稼働率と改修コストの両面から比較し、事前に窓口へ相談したうえで判断してください。
賃貸で借りた空き家でも補助金は使えますか?
賃借人を対象に含む制度もありますが、その場合ほぼ確実に所有者の承諾書が必要になります。また、契約期間が補助の要件(一定期間の事業継続など)より短いと申請できないこともあるため、賃貸借契約の条件を先に固めておきましょう。
古民家の耐震改修は必須ですか?
用途や規模、建物の状況によって求められる対応は異なります。不特定多数が利用する施設に転用する場合は安全性の要求が高くなるため、建築士による調査を受けたうえで判断するのが現実的です。耐震診断や改修に対する自治体の補助が用意されている場合もあります。
遠方に住んでいても空き家を事業に使えますか?
物理的には可能ですが、宿泊事業などでは緊急時の対応体制が求められることがあり、遠隔運営には制約が生じ得ます。管理を委託する場合はその費用も収支計画に織り込む必要があります。制度によっては地域内での事業実施や居住を条件とするものもあるため、要件の確認が欠かせません。
※注意事項本記事の金額・要件・手続に関する記述は、一般的な傾向をつかむための目安です。建築・消防・衛生の基準は建物の規模や地域の条例によって大きく異なります。公募回・年度により要件は変わります。必ず最新の公募要領/自治体の告示をご確認ください。

🏗事業転用で使える中小企業向け補助金 — 金額で見る

🙋
社長さん
空き家を店舗や宿にする場合、自治体の補助以外にも使えるものはありますか?
👨‍🏫
ナビ先生
あります。「空き家の改修」ではなく「新しい事業への進出」として組み立てると、桁が変わります。自治体の補助が数百万円なのに対し、国の制度は数千万円規模です。
制度 補助上限 補助率 空き家活用での使い道 締切
新事業進出・ものづくり
商業サービス補助金
(新事業進出枠)
7,000万円(賃上げ特例9,000万円)/補助下限750万円 中小 1/2 宿泊業・飲食業への新規進出に伴う内装工事、業務用厨房設備、予約・PMSシステム、防火区画・避難設備工事。建物費が対象経費に含まれるのは新事業進出枠とグローバル枠のみ 2026年10月30日 18:00
同
(革新的新製品・サービス枠)
5人以下 750万円/6〜20人 1,000万円/21〜50人 1,500万円(賃上げ特例で850万〜2,500万円)/補助下限100万円 中小1/2/小規模事業者 2/3 小規模な転用ならこちら。ただし建物費は対象外 同上
中小企業省力化投資補助金
(一般型)
5人以下 750万円/6〜20人 1,500万円 中小1/2/小規模事業者 2/3 セルフチェックイン端末、配膳ロボット、クラウドPOS・自動釣銭機。小規模な宿泊・飲食は人手をかけずに回す設計が前提になるので相性がよい 第7回終了。第8回は未確定
小規模事業者持続化補助金 基本50万円/特例込み最大250万円 2/3 開業後の集客(HP・撮影・チラシ・看板) 2026年11月5日〜12月15日 17:00
注意建物費が対象になるかどうかが最大の分かれ目です。空き家の内装・構造に大きく手を入れるなら新事業進出枠(下限750万円)を狙う設計になります。小さく始めるなら革新的新製品・サービス枠ですが、建物費は出ません。

🧮モデルケース:築65年の旧商家を古民家カフェ+簡易宿所に転用する場合

🙋
社長さん
結局、うちの規模だといくらになるのかが知りたいんです。
👨‍🏫
ナビ先生
では具体例で並べましょう。代表を含め従業員4名の合同会社(小規模事業者)。物件は築65年・延床180㎡の旧商家(相続取得)+隣接する旧倉庫90㎡。過疎地域で空家等対策計画あり。1階を古民家カフェ、2階を1日1組の簡易宿所に転用し、旧倉庫は除却して駐車場化を想定した試算です。
使う制度 内容(品目と単価) 投資額 補助率 補助される額 ねらう効果
空き家再生等推進事業
活用事業タイプ
構造補強 350万円+屋根・外壁 250万円+水回り更新 300万円 900万円 国1/3・地方1/3 600万円
(自己負担300万円)
未利用だった180㎡を稼働床に転換。10年以上の活用が条件
空き家再生等推進事業
除却事業タイプ
旧倉庫(90㎡)の除却工事 @2.2万円/㎡ 200万円 国2/5・地方2/5
(限度額=工事費×8/10)
128万円
(自己負担72万円)
駐車場6台分を確保し、カフェの想定回転数を1日+12組に
新事業進出・ものづくり
商業サービス補助金
(新事業進出枠)
内装工事 1,400万円+業務用厨房設備 900万円+予約・PMSシステム 300万円+防火区画/避難設備工事 400万円 3,000万円 1/2 1,500万円 新規事業売上 年2,400万円(カフェ1,500万+宿泊900万)を計画
中小企業省力化投資補助金
一般型
セルフチェックイン端末 180万円+配膳ロボット 280万円+クラウドPOS・自動釣銭機 140万円 600万円 2/3
(小規模事業者)
400万円 受付・配膳の常時1名分を削減し、年1,800時間・労務費 約198万円/年を圧縮
合計 — 4,700万円 — 2,628万円 自己負担 2,072万円(投資額の約55.9%を補助でまかなう計算)
この表の位置づけ当事務所が各制度の補助率・限度額の算式をもとに作成した試算モデルで、特定企業の実績ではありません。1・2行目は市区町村がこの事業を導入していることが大前提で、導入していない自治体では0円です。導入していても市区町村の交付要綱が独自の上限額を設けているのが通常なので、モデルどおりの金額が出るとは限りません。また3・4行目は国の補助金であり、1・2行目(国費が入る交付金事業)と同一経費を重複計上できません。経費を明確に切り分ける必要があります。
進め方①建築基準法・消防法・旅館業法で「使える建物か」を確認(延床200㎡以下なら用途変更の建築確認は不要)→ ②市区町村に空き家再生等推進事業の有無と上限額を確認 → ③改修計画を固めてから国の補助金へ。建物の可否を確認せずに補助金から入ると、計画が途中で崩れます。

本記事の情報について

本記事は公開時点で確認できる公募要領等の一次情報に基づいて作成しています。補助金・助成金の制度内容、補助上限額、補助率、公募期間は予告なく変更される場合があり、同一制度でも公募回次によって要件が異なります。制度の統合・名称変更が行われることもあります。

ご申請の前には、必ず各制度の公式サイトおよび最新の公募要領をご確認ください。

本記事は制度の情報提供を目的とするもので、個別の申請可否や採否を保証するものではありません。最終的なご判断は、各制度の公募要領および管轄の窓口・有資格者にご確認ください。

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