省エネ補助金2026|8/26締切のSHIFT事業DX型は補助率3/4
「今月も電気代がとんでもない金額だった」——ここ数年、そんな悲鳴があらゆる業種から聞こえてきます。空調・照明・冷凍設備・工場の動力…電気を使わない会社はありません。そして今、国も自治体も「省エネ設備に入れ替えるならお金を出します」という方向に本気で舵を切っています。この記事では、省エネ・脱炭素(GX)まわりで使える補助金の全体像を、社長さんとナビ先生の会話で整理します。
⚡なぜ今、省エネ設備に補助金が集まっているのか
電気料金の高止まりは、燃料価格や為替、再エネ賦課金などいくつもの要因が重なった結果です。個々の会社が交渉でどうにかできる範囲を超えているため、「単価を下げる」より「使う量そのものを減らす」ほうが確実という発想に切り替わってきました。設備を新しくして消費電力を落とせば、料金がどう動いても効果が残ります。
もうひとつ見逃せないのが、取引先からの要請です。大手企業がサプライチェーン全体のCO2排出量を集計する動きが広がっており、下請け・取引先に対して「排出量を教えてほしい」「削減計画はあるか」と尋ねるケースが増えています。省エネ投資は、コスト対策であると同時に取引継続のための備えにもなりつつあるわけです。
⏱いま申請できる制度(2026年8月2日時点・締切順)
| 締切 | 制度 | 補助率・上限 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 2026年8月26日(水)12時 | SHIFT事業 DX型CO2削減対策実行支援事業 | 3/4・上限200万円 | 公募中(中小企業の入口として最有力) |
| 2026年8月26日(水)12時 | SHIFT事業 省CO2型システムへの改修支援事業(二次公募) | 1/3・上限1億円/5億円 | 公募中 |
| 2026年10月30日 18:00 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 | 1/2〜2/3・上限2,500万〜7,000万円 | 公募中 |
| 2026年10月中旬(予定・確定日未公表) | 中小企業省力化投資補助金 一般型 第8回 | 1/2〜2/3・上限750万〜8,000万円 | 8月中旬 公募開始予定 |
| 随時 | 中小企業省力化投資補助金 カタログ注文型 | 1/2以下 | 交付申請 随時受付中 |
| 令和9年3月31日(予算達し次第終了) | 東京都 地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業 | 2/3〜4/5・上限900万〜2億円 | 受付中 |
| 令和8年8月〜11月中旬 実施分 | 省エネ最適化診断(省エネルギーセンター) | 無料 | 受付中 |
SHIFT事業 DX型 — 設備を買わずに使える、中小企業の入口
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 3/4 |
| 上限 | 一律 200万円 |
| 締切 | 2026年8月26日(水)12時 |
| 対象 | 年間CO2排出量 50t以上3,000t未満の中小企業等(個人事業主は除く) |
| 申請方法 | Jグランツ(GビズIDが必要) |
| 何ができるか | 支援機関による削減余地診断+実施計画の策定、電力計測ユニット等のDXシステム導入。大きな設備更新を伴わずに申請できる |
🗺️省エネ・脱炭素に使える補助金の”地図”
| 系統 | ざっくりの性格 | 向いているケース |
|---|---|---|
| ① 国の省エネ系補助金 | 省エネ効果そのものを審査する専門枠。省エネ量の算定が必須 | 工場・大型設備の更新など、投資額が大きく削減効果を数字で示せる案件 |
| ② ものづくり補助金など設備投資系 | 生産性向上が主目的。省エネ設備も「革新的な取組の一部」として対象になり得る | 省エネと同時に生産能力・品質を上げたい製造業など |
| ③ 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者向け。金額は小さいが使いみちの幅が広い | 店舗のLED化・小型高効率機器など、比較的少額の更新 |
| ④ 自治体の独自補助 | 太陽光・蓄電池・EV・高効率機器などをピンポイントで支援 | 国の制度に当てはまらない規模・用途。併用可否は要確認 |
大事なのは、「どれか1つを選ぶ」ではなく「自社の投資計画がどの系統に当てはまるかを判定する」という順番です。先に補助金を決めてから設備を選ぶと、本当は必要のない機器を買ってしまったり、逆に本命の設備が対象外だったりします。まずは「何を、いくらで、なぜ入れ替えたいのか」を固めてから、制度を探しにいってください。
🏭① 国の省エネ系補助金 — 削減効果を”数字”で問う枠
この系統の補助金は、省エネ量の算定根拠が申請書の心臓部になります。「新しいから省エネです」では通りません。旧設備の消費電力(kW)×稼働時間(h)×稼働日数、といった形で年間の使用量を出し、新設備で同じ計算をして差分を取る——この地道な作業が評価の土台です。
また、補助率や上限額は公募回・枠(区分)によって変わるのが通例です。「去年は◯分の◯だったから今年も同じはず」という前提で資金計画を立てると、交付決定の段階で足りなくなります。必ずその回の公募要領で確認してください。
🔧② ものづくり補助金など、設備投資系との組み合わせ
たとえば、旧式の加工機を高効率の最新機に入れ替えれば、加工速度が上がって不良も減り、同時に1個あたりの消費電力も下がります。この場合、主題は生産性向上、省エネは強力な副次効果という位置づけになります。事業計画書でも、その順番で書いたほうが審査の軸に噛み合います。
逆に、単純な「LEDへの交換だけ」「空調の入れ替えだけ」といった案件は、ものづくり補助金の”革新性”の枠にはなじみません。その場合は省エネ専門の枠か、持続化補助金、自治体補助を検討したほうが素直です。制度には制度の”物語”があるので、自社の投資をどの物語に載せるかを見極めましょう。
🏪③ 小規模事業者持続化補助金 — 店舗・小規模の設備更新に
持続化補助金は補助上限額が国の大型補助金に比べれば小さめですが、そのぶん小規模事業者にとって現実的な金額感で、申請の負担も比較的軽めです。店舗の照明のLED化、老朽化した業務用冷蔵設備の更新、断熱性能を上げる内装改修など、数十万円〜数百万円規模の投資と相性が良いといえます。
この制度の特徴は、商工会・商工会議所の関与が前提になっている点です。地域の支援機関と相談しながら計画を練る流れになるため、はじめての補助金申請でも伴走してもらいやすい。「いきなり大型補助金は怖い」という会社の入り口としても向いています。
☀️④ 自治体の太陽光・蓄電池・EV補助 — 見落としがちな穴場
自治体補助でよく見かける対象設備は、太陽光発電設備、蓄電池、高効率空調、LED照明、EV(電気自動車)・充電設備、断熱改修などです。「事業者向け」「中小企業向け」といった区分が設けられていることが多いので、住宅向け制度と取り違えないよう注意しましょう。
探し方のコツは、「自治体名+事業者+省エネ 補助金」「自治体名+蓄電池 補助」のような検索に加えて、商工会議所・商工会の会報や、地域の金融機関が配るお知らせをチェックすること。地元の支援機関は、国の制度より自治体制度に詳しいことがよくあります。
🧰対象になりやすい設備・なりにくい設備
| 設備カテゴリ | ねらい・特徴 | 効果の測りやすさ |
|---|---|---|
| 高効率空調 | 事務所・店舗・工場で消費電力の比重が大きい。古い機種ほど差が出やすい | ◎ 消費電力の仕様差が明確 |
| LED照明 | 導入しやすく効果も計算しやすい定番。台数が多いほど効く | ◎ 台数×W数で単純計算できる |
| 断熱改修(窓・壁・屋根) | 空調の負荷そのものを下げる。空調更新との組み合わせが強い | ○ 算定に一定の前提が必要 |
| 受変電設備(高圧受電まわり) | 老朽化した変圧器の更新で損失を低減。工場・大型施設向け | ○ 機器仕様で試算可能 |
| 冷凍・冷蔵設備 | 飲食・食品・小売で消費が大きい。24時間稼働なので効果が積み上がる | ◎ 稼働時間が長く差が出る |
| 太陽光・蓄電池 | 買う電気そのものを減らす。自治体制度と相性が良い | ○ 発電量の試算が前提になる |
| EV・充電設備 | 社用車の電動化。自治体の独自制度が多い分野 | △ 走行実態の前提が必要 |
| エネルギー計測・見える化 | 使用量を測る仕組み。単体より設備更新とセットで検討したい | △ 単体では削減効果が出ない |
逆に、単なる故障修理、原状回復のための工事、消耗品の購入などは、多くの制度で対象外か、対象と認められにくい部類です。「壊れたから直す」ではなく「性能を上げて使用量を減らす」——この線引きを意識して計画を書きましょう。
📊カギは「エネルギー使用量の把握」と「効果算定」
ここで重要なのは、「前提条件を必ず書く」こと。稼働時間を何時間として計算したのか、季節による変動をどう扱ったのか。前提が書いてあれば、多少数字が粗くても「根拠のある試算」として読んでもらえます。逆に、前提のない削減率だけを書くと、数字が良くても信頼されません。
もうひとつ、削減効果は”金額”にも翻訳しておくと説得力が増します。「年間◯kWh削減」だけでなく「現在の単価で試算すると年間◯円相当の削減見込み」まで書くと、投資回収の見通しが伝わります。ただし電力単価は変動するので、あくまで試算・目安であることを明記してください。
📝申請から入金までの流れ
特に注意したいのが06と07の順番です。設備の納期が長い機器だと「早く発注しないと年度内に間に合わない」という圧力がかかりますが、それでも交付決定前に発注してしまえば補助対象外になり得ます。納期の長い設備を選ぶ場合は、スケジュール全体を業者と共有しておくことが必須です。
🕳️つまずきポイント7選
🧭自社に合う制度の絞り込み方
❓よくある質問
🏭省エネ・非化石転換補助金 — 枠別の補助率と上限
工場・事業場型
| 枠 | 補助率 | 上限(単年度/複数年度) | 省エネ率+非化石割合増加率の要件 |
|---|---|---|---|
| 先進枠 | 中小 2/3/大企業 1/3〜1/2 | 15億円(非化石20億円)/30億円(同40億円) | 30%以上 |
| 一般枠 | 中小 1/2/大企業 1/3 | 15億円(20億円)/20億円(30億円) | 10%以上 |
| 中小企業投資促進枠 | 1/2(投資回収年数7年未満は1/3) | — | 7%以上(投資回収年数は3年以上) |
| サプライチェーン連携枠 | 中小 1/2/大企業 1/3 | — | 5%以上 |
設備単位型(指定15設備の更新)
| 枠 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|
| 従来枠 | 1/3以内 | 1億円 |
| メーカー強化枠 | 1/3以内 | 3億円 |
| トップ性能枠 | 更新 1/2以内/新設 1/5以内 | 3億円 |
いずれも2026年度の交付申請の公募は終了しています。次回の予定は未公表なので、いま動くなら8月26日締切のSHIFT事業から入るのが現実的です。
🧮モデルケース:従業員28名・年商4.2億円の金属加工会社が組む省エネ投資
| 使う制度 | 導入するもの(品目と単価) | 投資額 | 補助率 | 補助される額 | ねらう効果 |
|---|---|---|---|---|---|
| SHIFT事業 DX型 (2026年8月26日12時締切) |
削減余地診断+実施計画策定 186万円 DXシステム(電力計測ユニット8点・レンタル)80万円 |
266万円 | 3/4 | 199.5万円 (上限200万円以内) |
運用改善3件を抽出。コンプレッサ吐出圧の適正化・空調スケジュール見直しで電力▲3%=年59万円、CO2▲11.7t/年 |
| 省エネ・非化石転換補助金 設備単位型・従来枠 ※次回公募待ち |
高効率空調(業務用パッケージエアコン10馬力相当)@130万円×6台 | 780万円 | 1/3 | 260万円 | 空調電力を▲25%=年99万円 |
| 同・トップ性能枠(更新) ※次回公募待ち |
高性能ボイラ(台数制御装置付)1式 1,800万円 | 1,800万円 | 1/2 | 900万円 | 重油を▲12kl/年=年132万円、CO2▲32.5t/年 |
| 同・電化/脱炭素燃転型 ※次回公募待ち |
重油ボイラ→産業用ヒートポンプ(蒸気発生型)3,600万円 付帯工事 600万円 |
4,200万円 | 1/2 | 2,100万円 | 重油▲60kl/年、電力+18万kWh/年 → 差引年264万円のコスト減、CO2 正味▲84.5t/年 |
| 中小企業省力化投資補助金 一般型(第8回・10月中旬予定) |
協働ロボット2台+搬送コンベア 一式 2,000万円 | 2,000万円 | 1/2 | 1,000万円 | 2工程を自動化し年1,900時間削減(労務費 約380万円/年) |
| 合計 | — | 9,046万円 | — | 4,459.5万円 | エネルギーコスト 年約554万円削減/CO2 年約128.7t削減 |
本記事の情報について
本記事は公開時点で確認できる公募要領等の一次情報に基づいて作成しています。補助金・助成金の制度内容、補助上限額、補助率、公募期間は予告なく変更される場合があり、同一制度でも公募回次によって要件が異なります。制度の統合・名称変更が行われることもあります。
ご申請の前には、必ず各制度の公式サイトおよび最新の公募要領をご確認ください。
本記事は制度の情報提供を目的とするもので、個別の申請可否や採否を保証するものではありません。最終的なご判断は、各制度の公募要領および管轄の窓口・有資格者にご確認ください。
この補助金の公募開始と締切を、メールでお知らせします
補助金の公募期間は中央値で36日しかなく、公表に気づいた時点で締切まで1か月を切っていることも珍しくありません。公募開始日と締切が公表され次第、無料でお送りします。業種をご記入いただくと、その業種で対象になりやすい制度を優先してお送りします。
お送りするのは制度の情報のみです。メールアドレスはお知らせ配信以外の目的には使用しません。