【一覧表】小規模事業者持続化補助金の補助対象経費 OK/NG完全ガイド
はじめに — 「使える経費」を間違えると採択が無駄になる
「採択された!」と喜んだのも束の間、実績報告で経費の一部が対象外と判定され、補助額が大幅に減額される。
これ、意外と多いケースです。小規模事業者持続化補助金には明確に「OK」な経費と「NG」な経費があり、事前の把握が決定的に重要。
本記事では、補助対象経費11区分を一覧表でわかりやすく整理し、よくある失敗パターンまで完全網羅します。
補助対象経費の全体像 — 11区分
小規模事業者持続化補助金で補助対象になる経費は、以下の11区分に分類されます。
| # | 経費区分 | 補助対象 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 1 | 機械装置等費 | ✅ | レジ、厨房機器、業務用ソフト |
| 2 | 広報費 | ✅ | チラシ、パンフレット、新聞広告 |
| 3 | ウェブサイト関連費 | ✅(総額の1/4まで) | HP新設・リニューアル、EC |
| 4 | 展示会等出展費 | ✅ | 出展料、旅費、運送費 |
| 5 | 旅費 | ✅ | 販路開拓のための出張 |
| 6 | 開発費 | ✅ | 新商品の試作品開発 |
| 7 | 資料購入費 | ✅ | 関連書籍、業界レポート |
| 8 | 雑役務費 | ✅ | 臨時アルバイト |
| 9 | 借料 | ✅ | 会場・機器レンタル |
| 10 | 設備処分費 | ✅(補助金全体の1/2まで) | 旧設備の撤去 |
| 11 | 委託・外注費 | ✅ | デザイン外注、システム開発 |
【詳細】OKになる経費 11区分
① 機械装置等費(設備投資)
OK例:
- 飲食店の業務用オーブン(20万円)
- 小売店のPOSレジ(15万円)
- 製造業の検査機器(30万円)
判定基準:
- 単価50万円以上 → 相見積もりが必須
- 汎用性が高いもの(パソコン等)は原則NG
② 広報費
OK例:
- チラシ3,000部印刷(8万円)
- 新聞折込広告(12万円)
- 駅看板広告(25万円)
注意:「販路開拓のため」という目的が明確に必要。既存顧客へのDMのみでは採択率下がる(新規獲得の色を入れる)。
③ ウェブサイト関連費(総額の1/4まで上限あり)
OK例:
- 新規HP制作(40万円)
- ECサイト構築(50万円)
- SEOコンサルの初期設定費用(15万円)
重要:
- 補助金総額の1/4までしか計上不可
- 例:補助金50万円 → HP関連は12.5万円まで
- ただし250万円上限まで使える賃上げ特例等の場合は枠が広がる
④ 展示会等出展費
OK例:
- 展示会出展料(15万円)
- ブース装飾費(8万円)
- 出展物の運送費(3万円)
- 出展のための交通費・宿泊費(5万円)
⑤ 旅費(販路開拓のための)
OK例:
- 新規取引先訪問のための交通費
- 見本市・視察の旅費
- 宿泊費(1泊1万円程度)
NG:日常業務の出張、社員研修(別途の助成金を使う)
⑥ 開発費
OK例:新商品の試作品開発外注費、新サービスの開発委託費
⑦ 資料購入費
OK例:業界レポート(3万円)、関連書籍(1万円)
NG:新聞・一般雑誌の定期購読
⑧ 雑役務費
OK例:補助事業のための臨時アルバイト(時給×時間分)
NG:既存従業員への給与(別の助成金を検討)
⑨ 借料
OK例:展示会会場のレンタル、プリンター・プロジェクターのレンタル
⑩ 設備処分費
OK例:店舗改装時の旧設備撤去費、産業廃棄物の処分費
上限:補助金全体の1/2まで
⑪ 委託・外注費
OK例:
- HPデザインの外注(30万円)
- 動画制作の外注(20万円)
- システム開発の一部外注
❌ 補助対象にならない経費(NGリスト)
以下は絶対に計上してはいけません。計上すると不採択または補助額減額のリスクがあります。
NG①:汎用性が高い備品
- パソコン、タブレット、スマートフォン
- プリンター(一般事務用)
- 家具(机、椅子)
- カメラ(一般用)
理由:「販路開拓以外にも使える」と判断されるため
NG②:車両
- 自動車、バイク、自転車
- ガソリン代
例外:特殊車両(移動販売車など用途が限定的なもの)は OK の場合あり
NG③:固定費
- 事務所家賃
- 光熱費
- 通信費
- 既存従業員の給与・賞与
NG④:交際費・飲食費
- 取引先との接待
- 打ち合わせのカフェ代
NG⑤:補助金申請にかかる費用
- 行政書士・コンサルへの報酬
- 書類作成費
- 認定支援機関への報酬
重要:これは補助金で賄えません。完全自己負担。
NG⑥:中古品・在庫品
- 中古の機械・備品
- 既に在庫として保有している商品
例外:一部の中古品は OK(事前に事務局に確認必須)
NG⑦:振込手数料・印紙代・税金
- 振込手数料
- 収入印紙
- 消費税(補助金額の算定からは除外)
🤔 判定が難しいグレーゾーン経費
ケース1:ノートパソコン
- 一般的なノートPC → NG(汎用性高い)
- 業務専用でカスタマイズされたPC + 業務ソフト一体 → 要相談(部分的にOKの可能性)
ケース2:スマホアプリ開発費
- 新規販路開拓用のアプリ → OK(委託費として)
- 既存顧客管理のためのアプリ → 判定分かれる
ケース3:SNS広告費
- 新規顧客獲得の広告 → OK(広報費)
- 認知拡大のみの広告 → 判定分かれる
- 既存顧客への広告 → NG
ケース4:社員研修
- 販路開拓に直結する研修 → 一部OK(委託費扱い)
- 一般的な社員研修 → NG
💡 業種別の注意点
飲食店
- OK:看板、店舗改装、POS、HP、チラシ
- NG:食材仕入れ、人件費、家賃
- 注意:設備投資は「販路開拓との関連性」を明記
美容室・サロン
- OK:予約システム、店舗改装、SNS広告、パンフレット
- NG:日常消耗品、人件費
- 注意:新サービス導入の根拠を明確に
建設業
- OK:展示会出展、営業用パンフレット、HP
- NG:重機、車両(建設用)
- 注意:BtoB販路開拓の戦略を明記
EC事業者
- OK:ECサイト構築、SEO、広告
- NG:在庫仕入れ、送料
- 注意:ウェブ関連費は補助金総額の1/4上限
🔍 実例:採択計画書の経費構成
採択例:飲食店(補助額200万円)
| 経費項目 | 金額 | 区分 |
|---|---|---|
| 店舗改装費 | 150万円 | 機械装置等費 |
| 新メニュー用厨房機器 | 40万円 | 機械装置等費 |
| HPリニューアル | 50万円 | ウェブサイト関連費 |
| チラシ制作 | 20万円 | 広報費 |
| 展示会出展 | 15万円 | 展示会等出展費 |
| 旧厨房撤去 | 10万円 | 設備処分費 |
| 合計事業費 | 285万円 | — |
| 補助額(2/3) | 190万円 | — |
この事例のポイント:
- ウェブ関連費は総額の17.5%(1/4以下)に抑えている ✓
- 設備処分費は補助金額の5%(1/2以下)に抑えている ✓
- 汎用性の高い備品は含まない ✓
⚠️ 不採択/減額の代表パターン5選
パターン1:パソコンを計上
「店舗運営のためのPC」と書いても、汎用性が高いため減額対象。
パターン2:ウェブ関連費が1/4を超過
HP制作に偏った計画書は、超過分が減額される。
パターン3:相見積もりなし
100万円超の経費で相見積もりなしは、不自然と判断され減額。
パターン4:「販路開拓」との関連性が不明
単なる業務効率化のための設備投資は対象外。
パターン5:領収書の不備
実績報告時の領収書が不足 → 返還リスク。
📋 経費チェックリスト(申請前に確認)
- ☐ 補助金総額のうち、ウェブ関連費が1/4以下か
- ☐ 100万円超の経費に相見積もりを用意したか
- ☐ パソコン・車両などの汎用品を含めていないか
- ☐ 「販路開拓」との関連性が明確か
- ☐ 各経費の見積書・カタログを揃えたか
- ☐ 内訳書で各経費区分が明記されているか
- ☐ 補助金申請サポート費は自己負担枠として別計上したか
まとめ
補助対象経費の判断は採択と実績報告の両方に直結します。曖昧な経費は事前に商工会議所や行政書士に相談するのが賢明。
- OK経費:11区分を正しく理解
- NG経費:汎用品・固定費・交際費は避ける
- グレーゾーン:個別判断が必要
- 業種別の特性:自業種の定番パターンを把握